こんばんは、ヤギ仙人です🐐。投資の世界で圧倒的な成果を上げた先達を紹介する「投資家列伝」。第1回は今年一杯で現役を引退するウォーレン・バフェットを取り上げます。大変な有名人ですが、いったい彼のどこが凄いのでしょうか?
「オマハの賢人」は現代を代表する投資家

ウォーレン・バフェットは現代を代表する投資家と言ってよいと思います。「オマハの賢人」「投資の神様」と呼ばれ、ジョージ・ソロス、ジム・ロジャーズとともに世界三大投資家とも言われています。
現在は投資持株会社バークシャー・ハサウェイ(以下バークシャー)の筆頭株主であり、会長兼CEOを務めています。その職を95歳になった今年一杯で退任することで話題になりました。
バフェットの凄さの代表例は、1965年にバークシャーの経営権を握ってから2015年までの約50年間に株価を2万倍にしたこと。この間、S&P500の上昇率は140倍でした。以下のグラフは直近30年の株価をS&P500と比較したものですが、これだけ見ても彼の凄さがわかります。

バフェットのどこがそんなに凄いのか?
バフェットには、ベンジャミン・グレアムとフィリップ・フィッシャーという2人の師が存在します。バフェット自身「私の85%はグレアムから、残りの15%はフィッシャーからできている」と語っています。

ベンジャミン・グレアムは「バリュー投資の父」と呼ばれる著名な投資家で、株式の本来価値を詳細に分析することで割安に放置されている株を買うべきだと説きました。これは「勘と度胸」が主流であった当時の証券業界では異例のことでした。バフェットはコロンビア大学で教鞭を取っていたグレアムの薫陶を受け、彼の定量分析の手法を学びました。グレアムの教え子の中で唯一A+の成績を取った学生だったそうです。

そんなバフェットもいつしか「グレアムのやり方だけでは儲からない」と考えるようになりました。そこに現れたのが「成長株投資の父」と呼ばれるフィリップ・フィッシャーです。フィッシャーは経営者や取引先への聞き込みという手法で成長性の高い企業を発掘し、長期間保有することで莫大な利益を上げました。バフェットはフィッシャーの「成長株に長期投資する」という手法をそのまま採用しました。
こうして、グレアムの定量的手法とフィッシャーの定性的手法を統合し、徹底したリサーチで成長性の高い企業を選別する手法に行き着きました。バフェットはこれをもう一歩進めて、「集中投資」という要素を加えることで最強の投資法に仕上げたのです。
バークシャーのポートフォリオには、いわゆる「バフェット銘柄」と呼ばれる高い比率で保有する成長株が存在します。例えば、コカ・コーラやアメリカン・エクスプレスなどです。2025年9月現在でも、コカ・コーラは10.01%、アメリカン・エクスプレスは19.01%と高いシェアを保っています。その最たる例がアップルです。一時期はポートフォリオの半分という驚くべきシェアでした(現在は半分以上を売却済)。これら「バフェット銘柄」が爆発的なキャピタルゲインを叩き出すことで圧倒的な成果を上げているのです。
これは有望な株を選ぶ自らの能力に自信があるからこそ取れる戦略で、インデックス投資とは真逆の発想です。
投資の根底にある「人間的としての正しさ」
そんなバフェットの凄さの根底にあるものは「人間としての正しさ」です。

成功した投資家がどこか金銭感覚が狂ってくるのに対し、バフェットは全米長者番付の常連であるにも関わらず、常に「まとも」です。自宅は1958年に3万1,500ドルで買ったオマハ郊外の家に今も住み続けています。
生活費はバークシャーからの役員報酬の年間10万ドル(約1570万円)のみ。バークシャーの株式は保有しているものの、バフェットが経営権を握って以来 無配当を貫いているため、配当ももらっていません。
バフェットの社会や投資への考え方が最も色濃く反映されているのが「株主への手紙」。毎年11月の感謝祭に合わせて公開されてきました。例えば、2024年版には以下のような表記がありました。
「私が若い頃とは比べものにならないほど市場はカジノ的な振る舞いを見せます。カジノは多くの家庭に浸透し、人々を日々誘惑しています。」(「株主への手紙」2024年版より)
本質的な価値から乖離した株式市場の狂騒に、彼流の表現で苦言を呈しています。そして、バークシャーの会長兼CEOとして最後の手紙となる2025年版には以下のように記されています。
「偉大さは、巨額のお金や名声、政府の強大な権力から生まれるものではありません。誰かを助けることが世界を良くするのです。」(「株主への手紙」2025年版より)
公職を退くバフェットから投資家への”遺言”のようにも読める文章です。ありがたいことにバークシャーの会長兼CEOを退任後も この「手紙」は続けるそうなので、今後も投資家としての道しるべにしたいですね。
今回はウォーレン・バフェットという投資家のどこが凄いのかをお伝えしました。まだまだ書きたいことは沢山ありますが、この辺で筆を置きたいと思います。ではまた!
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