台湾問題が長引くとどんな影響があるか?

 こんばんは、ヤギ仙人です🐐。高市首相の国会での答弁に端を発した中国との台湾問題。いまだ収束する気配がありませんが、この問題が長期化すると経済的にどんな影響があるのでしょうか? 調べてみました。

中国が「激怒したフリ」をする理由

 それにしても、すでにアジアの大国となった中国が隣国の国会答弁での発言にここまで激怒するのはやや理解に苦しみます。調べてみると、ある種の「政治的擬態」を取らざるを得ない中国側の事情が見えてきました。

① 台湾の実質国家化への釘刺し

 アメリカは、中国が主張する「1つの中国」について否定はしないものの、半導体製造で圧倒的なシェアを誇るTSMCを抱える台湾を安全保障上重要な地域として「実質国家扱い」する動きを見せています。今回の中国の対応はそれに対する釘刺しの要素が多分に含まれています。

② 右派である高市新政権への牽制

 高市首相は定期的に靖国神社を参拝するなど、自民党内では右派と位置付けられています。今年の秋季例大祭では参拝を見送りましたが、中国としては歓迎できない政治家の1人です。今回の失言に乗じて、高市新政権を牽制したい意向の現れとも考えられます。

③ 経済の不振から国民の目をそらす目的

 不動産バブルの崩壊にあえぐ中国では、2025年1〜9月期決算で全企業の1/4に当たる24%が最終赤字に陥りました。経済の不振は政府への批判につながる可能性があるため、日本を非難することで国民の目を経済の不振からそらす目的である可能性があります。

 もちろん、中国政府は国民に周到なプロパガンダを行うので一見感情的な反応に見えてしまいますが、その裏にはこのような政治的背景があるのです。

引き金を引けないのにはワケがある

 そんな中、中国政府は国民に訪日を控えるよう呼びかけ、日本産水産物の輸入規制強化を通達してきました。中国はこのまま対決姿勢を強化するのでしょうか? 実はそう出来ない理由が中国側にはあるのです。

カントリーリスクで日本企業が撤退

 奇しくもこのタイミングで上げられたネット記事ですが、この5年間で日本企業の撤退が相次いだ国ランキングの1位は中国(78社)2位は香港(73社)です。香港を国として扱うことの是非は置いておくとして、中国全体では合計で151社が撤退しておりダントツの1位となっています。

 不動産バブル崩壊による経済の不振やスパイ容疑で従業員が拘束される懸念などのカントリーリスク(その国固有の政治・経済的理由で投資が回収できなくなるリスク)が原因と推測されます。

 当然、中国に落ちるお金の量も減っており、2024年の対中直接投資は2021年のピーク時に比べ95%も減少しています。このため、習近平国家主席自ら日本や米欧の企業トップと会談し、投資拡大を呼びかける事態にいたっています。

密接な関係が続く日本と中国

 それでも日本から中国に進出している企業は6,885社とアメリカ(4,362社)の1.5倍以上という密接な関係を保っています。主な輸出品の業種をまとめたのが以下の記事です。

 帝国データバンクの調査によると、トップは「機械・設備」の3,498社。この中には、自動車や家電などの完成品以外に電子部品や半導体関連素材、工作機械など中国側が製品を作るためには欠かせないものが含まれています。次いで「食品分野」の733社。具体的には水産物や和牛、日本酒などです。

 もし全面対立に移行し「機械・設備」の供給が絶たれると中国経済は立ち行かなくなってしまいます。中国が引き金を引かないのには、このような理由があるのです。

実際に影響があるジャンルはどこなのか?

 以上の状況を考慮すると、中国との台湾問題で経済的に影響があるのは以下のジャンルに絞り込まれます。

台湾問題で影響があるジャンル
  • 中国国内消費 → 水産物、コンテンツ(映画、アニメ、音楽)
  • インバウンド → ホテル、デパート、その他の観光消費

 「中国国内消費」は既報の水産物に加え、アニメ「映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ」と実写映画「はたらく細胞」の公開延期が決定しています。今後、映画だけでなく地上波アニメも買い控えが起こる可能性があります。音楽イベントなどにも影響があるでしょう。

 「インバウンド」では、主にホテルやデパートが影響を受けることになります。ホテル予約サイトを見てみると、すでに空室が目立ち始めています。観光庁によると、2025年1〜9月の中国人客の消費額はおよそ1兆6443億円。年換算すると約2兆円になります。問題が長期化した場合のリスクはこれが一番大きいと考えられます。

 2兆円は大きな金額だと思いますが、全面対立した場合に比べれば影響は限定的です。筆者は日本の水産物は品質が高く、ホテルやデパートのサービスもレベルが高いと思っています。影響を受ける業種の方には、今回の問題を逆手に取ってぜひ中国以外の売り先を開拓して欲しいと思います。


 今回は台湾問題が長引くとどんな影響があるかを考察しました。新たな情報があれば随時お知らせします。ではまた!

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