こんばんは、ヤギ仙人です🐐。最近は様々な生成AIが登場していますが皆さんは何を使ってますか。これだけの性能があるワケですから、当然自分の投資の意思決定に活用したい。しかし、それは可能なのか? 今回は筆者が色々試した末の「投資に役立つ生成AIの活用法」をお送りします。
生成AIを投資に活用する動き
当然ながら全て途中段階です。というのも生成AIの世界は日進月歩。昨日できなかったことが今日できるようになるのは当たり前だからです。そういう「生成AIの世界」の基本の〈き〉を知るには以下の本が最適です。生成AIとは何なのか、今後どういうことが起こるのか、がとても優しく解説されています。
当然、投資のプロの世界でも生成AIを投資に活用する様々な取り組みは始まっているようですが、正直まだ定まっていないという印象です。そんな中、クリエイティブファーム「THE GUILD」の代表でAI活用の専門家である深津貴之氏が自らのnoteで、米国の先端半導体企業エヌビディアのリスク&リターンの分析を実験的に複数の生成AIにさせてみたりと興味深い動きも出てきています。
元来、膨大な情報を処理して瞬時に正確な答えを出す生成AIと投資との相性が悪かろうはずがありません。今年1月に世間を賑わせた中国のAIベンチャーDeepSeekの創業者・梁文鋒氏は有名なヘッジファンドの共同設立者で、DeepSeekも元々は金融取引に使うAIの技術開発を行う研究部門として誕生したという経緯もある位です。
その割に投資の意思決定での生成AIの活用事例がそれほど聞こえてこないのが不思議でなりません。生成AI活用の大本命だけに、各社試行錯誤を繰り返しているのではないかと思います。
現状、生成AIに何ができるのか?
ここからは個人投資家が現段階で生成AIを投資にどう活用できるかをお話しします。
まず、使用する生成AIは有料版ならChatGPTが良いと思います。効果も見えていないのにお金をかけたくないという方には、GoogleのGeminiをおススメします。正直、無料版とは思えない性能とスピードです。
次に、現状できないことを特定します。それは大雑把なスクリーニングです。大雑把なスクリーニングとは、「おススメの高配当株を教えて」とか「成長性の高い新興企業を列記して」という類の質問です。生成AIには「ハルシネーション(幻覚・妄想)」という現象があり、質問が曖昧だと誤情報を提示してしまうのです。
以上を考慮して現段階で生成AIを投資に活用できるポイントを抽出すると以下の3点になります。
- 投資や経済に関する素朴な疑問に答えてもらう
- 投資の悩みやポートフォリオについて相談する
- 個別株のリスク&リターンについて分析してもらう
❶ 投資や経済に関する素朴な疑問に答えてもらう
投資中級者であっても、意外と市場や経済のメカニズムについて正確な知識を持っていないものです。例えば、「金利が下がるとなぜ株価は上がるのか?」などです。そういう時は生成AIに初心者でもわかるように教えてもらいましょう。いまさら恥ずかしくて聞けないようなことでも生成AIに遠慮する必要はありません。
❷ 投資の悩みやポートフォリオについて相談する
投資に関する個人的な悩みを相談することも可能です。投資の悩みというのは会社の仲間や友達に相談できないもの。様々な使い方を試すうちに、生成AIの機能の中で「相談」が重要な位置を占めていることに気づきました。例えば、自分のポートフォリオが正しいか聞きたければ、自分が目指している方向性と現状を記述すれば丁寧な回答を得ることが出来るはずです。
❸ 個別株のリスク&リターンについて分析してもらう
これが今回試した中で一番有益でした。実はある化学メーカーの投資判断で迷っていたのですが、見事に役に立ってくれました。今回はGeminiの使用例で説明します。

最初の質問は「その化学メーカーのマテリアルセグメントの好調の理由」。Geminiには、左上のように「詳細なリサーチリポートの作成をリクエストする機能」があるのですが、それをお願いすると5分程で左下のようなA4×17枚ほどの詳細なレポートが出来上がりました。
恐らく、有価証券報告書やプレスリリース、経済ニュース等を総合して分析・記述したのだと思いますが、非常に出来がよくわかりやすいものでした。
結果として、筆者はその企業への投資を決定することが出来ました。やはり、膨大な情報を総合して分析するというのが生成AIの最大の強みであるようです。
イメージは専属の経済評論家&証券アナリスト
上記の使用例でお気づきの方がいるかもしれませんが、生成AIを投資に活用するには専属の経済評論家&証券アナリストとして活用するのが正しい使い方だと思います。そう考えると凄い贅沢なことですよね。
ポイントは、「考えるだけでなくそのように扱ってあげること」。生成AIに働いてもらうためには「プロンプト」という生成AIに対する指示や質問が重要になるのですが、そのプロンプトの中に上の役割を入れ込んであげるのです。例えばこんな風に。
- 「金利が下がるとなぜ株価は上がるのか?」を投資初心者に経済評論家が説明するように説明して下さい。
- 「投資対象A」に投資する際のリスク及びリターンを気鋭の証券アナリストとして説明して下さい。
これは別に生成AIの気分が良くなるからではありません(笑)。生成AIというものは膨大なデータを読み込んで出力するにあたり、出力するスタンスが明確であるほど要求に沿った正しい答えを出せるシステムだからです。芝居で演出家が役者に対して「ここは高学歴なエリート社員のように演じてみて」と指示を出すのとある意味近いと思います。これらを付けることで回答の解像度がかなり変わってきますので是非やってみて下さい。
文中に何回も申し上げていますが生成AIの進化はとにかくスピードが早く、昨日の正解がきょうは正解ではないということがよく起こるそうです。投資への活用方法の新常識が現れたらすぐに報告したいと思います。ではまた!
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