投資の話は会社でしづらい!?

 こんばんは、ヤギ仙人です。今回は「投資の話は会社でしづらい!?」ということについてです。投資をやっている人ならかなり思い当たる方が多いのではないかと思いますが、実は日本人のこの性質が後述するように個人と社会、両方にとって大きな損失になっていると思います。筆者としては、投資の話がなるべく大っぴらにできるような社会を目指して取り組んで行きたいと考えています。

具体的な事例

 周囲の人と投資について話せる環境の有無が結果にどのような影響を与えるのか、筆者の周りの3つの事例について具体的に見て行きましょう。

 まず最初は、一緒に仕事をしたことがある筆者と同じ企業グループ内の20代前半の女性のケースです。「新NISAに興味はあるけれども、同じ会社の同僚とそういう話はしたことがない。」とのことで、何からどう始めていいのやら、まったくの手探り状態でした。筆者もそこまで親しくなかったので、特に助言もしませんでした。なんとかネット証券の口座開設までこぎつけましたが、新NISAのスタートから半年以上経った7月末現在、実際に投資するところまでは至っていません

 続いては、以前筆者が出向した会社で部下だった30代前半の女性。現在はフリーランスとして、会社員時代の2倍ほどの年収を稼いでいる模様です。そうなると俄然投資に興味を持ち始め、初心者にも拘わらず新NISAはもちろん米国のハイテク株にも手を出し始めました。「周りに投資の話を出来る人がいなくて…。」と言って筆者に相談してきました。筆者が見るところ、個別株でリスクを取り過ぎている嫌いがあったのでさっそく個別株の比率を下げるよう助言しました。

 最後は、別の出向先で部下だった40代前半の男性のケースです。彼の場合は、仕事も優秀でその会社のエース的存在であり、しかも大の投資好き。休み時間には周りの社員に無邪気に投資のイロハを教える様な憎めない存在でもありました。筆者ともよく投資の話をし、その過程で筆者が保有していたエヌビディア株に興味を持って結局購入。先日会って確認したところ、かなりの含み益になっているようでした。

 さて、皆さんは上の3つのケースをどう見ますか? 筆者の結論はシンプルです。それは「身近に投資について話が出来る人がいるとパフォーマンスが向上する」というものです。不思議なのは「美味しいお店」や「釣り」の話なら問題なく出来るのに、なぜ会社では「投資」の話がしづらいのか、というところです。

なぜ投資の話は会社でしづらいのか?

 おそらく次のような理由が考えられると思います。

①②は会社員として会社や上司にネガティブな印象を与えたくない、という気持ちが背景にある理由です。相変わらず、「会社は仕事をする場であり、社員のリソースはすべて仕事に注ぎ込むべきである」という昔かたぎな自己犠牲を強いる雰囲気が根強く残っているのかもしれません。また、③で気にしているのは同僚の目です。借金をお願いされたり、割り勘で多く払わされるのは嫌ですからね。どんな理由にせよ、結果として投資に関する情報を交換する場がない、というのが現実だと思います。

 投資はよっぽどのベテランでない限り独りでやっていると煮詰まってしまいます。その決断が正しいのか頭がウニになるくらい考えても答えは出ません。そんな時に投資経験のある人間が周りにいれば、簡単に答えが出ることが多いものです。これは投資を始める時にも同じことが言えます。

 これはSMBC日興証券が2019年に発表した「投資の始め方に関する意識調査」(投資情報メディア「FROGGY(フロッギー)」調べ)の中で、「投資を始められない理由」についての結果をまとめたものです。理由の2位、3位を見れば、周りに投資の話を出来る人がいないことが投資を始められない理由になっていることがわかります。いまや投資は「現代人の必修科目」の感がある中で、そんなつまらない理由で始められない人が多いというのは多大な機会損失であると言えます。

より多くの人が投資を始めやすくするには?

 このグラフは、最新の日本銀行の発表を元に「日本の金融資産の構成比」を筆者がまとめたものです。日本の場合、安全資産と言われる現金や預金の比率が高く、いわゆる「投資」として考えられている投資信託と株式等の比率は合わせても19.6%しかありません(これでも、新NISAのおかげで格段に増えました。数年前まではだいたい15%ぐらいで安定していました)。アメリカは、投資信託と株式等を合わせると概ね50%であり、政府や金融庁はそれを目標に新NISAを始め様々な投資を推進する施策を打ち出しています。

 それでも、投資環境がとても整っていると言えないのは今まで見てきた通りです。頼みの綱は、ブログやYouTube、Instagramなどのソーシャルメディアです。情報量はだいぶ増えて来たようですが、問題点が2つあります。

 ①は筆者が常々言っていることなので ここでは割愛します。問題が大きいのは②の方です。投資経験の浅い初級者に、いきなり投機的なサービスを勧めたり、ハイリスクな金融商品を売り込んだりしています。これでは、資産を増やすはずの投資の初期段階で致命的な痛手を負い、市場から退場することになってしまいかねません。そんな時に、投資に関して気軽に話せる環境があれば必ず役に立つはずです。

 より多くの人が投資を始めやすくするためには、ソーシャルメディアで初級・中級者向けの情報が正しく発信されること加え、職場やコミュニティで気軽に投資の話が出来る投資環境がともに必要なのです。筆者としても、そのお手伝いが出来ればと思ってブログを続けています。

 興味があればお立ち寄り下さい。ではまた!

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