インデックス運用とアクティブ運用

 こんばんは、ヤギ仙人です。今回のテーマは「インデックス運用とアクティブ運用」です。投資の運用方法には、大きく分けてこの2つの方法があります。それぞれ特性が異なりますので、それを理解した上で正しい使い方をしてほしいと思います。薬ではありませんが、「用法・用量を守って、正しくお使い下さい」ということになります。

基本的な方向性の違い

 2つの運用方法の方向性の違いを理解するために、それぞれの運用方法で運営される投資信託で比較してみましょう。

インデックスファンドが株価指数に連動した平均的なリターンを求めるのに対して、アクティブファンドは調査・分析を通じて選定した銘柄によって、株価指数を大幅に上回る良好なリターンを求める商品である、という位置付けです。インデックスファンドが組入銘柄を株価指数と同じ構成にすることで無駄なコストを抑え、安い手数料で運営しているのに対して、アクティブファンドは有能なファンドマネージャーを雇い、独自の調査・分析を行うために当然手数料は高くなります。その高い手数料を払ったとしても、リターンが高ければ補って余りあるというのがアクティブファンドの商品設計です。

 アクティブファンドの例としては、「伝説のファンドマネージャー」と言われたピーター・リンチ氏が率い、米国市場が低迷する中 年率で約30%の上昇という驚異的な運用成績を残したフィデリティ社の「マゼランファンド」が特に有名です。また、「投資の神様」と呼ばれ、自身が会長兼CEOを務める投資持株会社バークシャー・ハサウェイを通じて投資活動を行っているウォーレン・バフェット氏の行動もアクティブファンドと同じであり、アクティブ運用の典型と言ってよいと思います。

 つまり、アクティブ運用とは独自に選んだ銘柄により市場平均を超える運用成績を目指す投資手法全般ということです。皆さんがインデックスファンドを買わずに個別株で運用することも立派なアクティブ運用ということになります。インデックス運用と比べて手間とコストがかかるのが特徴ですが、問題はその手間とコストに見合ったリターンが得られるのか、という部分です。

果たしてどちらが儲かるのか?

 インデックス運用とアクティブ運用、果たしてどちらが良いリターンを上げることが出来るのか?それについては、こちらのグラフをご覧いただきたいと思います。

以前にもご紹介したグラフですが、これは米国・欧州・日本でインデックスファンドを上回ったアクティブファンドの割合を期間別に集計したグラフです。3年、5年、10年と時間を経るに従って、インデックスファンドを上回るアクティブファンドの割合が徐々に減っていき、比較的比率の高い日本でも1/3程度しか上回っていません。

 日本の比率が比較的高いのは日本のファンドが優秀なのではなく、比較対象のインデックスである日経225が低迷していたからである可能性が高いと思われます。それを差し引くと、インデックスファンドをリターンで上回るアクティブファンドの割合は約2割程度と考えるべきかと思います。つまり、全般的なリターンではインデックスファンドに軍配が上がります。

 以上を考慮すると、投資の初級・中級者はインデックス運用で十分、アクティブ運用は上級者になってから、というのが妥当な考え方だと思います。それを理解した上で、アクティブ運用に取り組みたいという場合はどのように取り組めばよいでしょうか。

アクティブ運用にどう取り組むか?

 やみくもに個別株を買うだけでは、アクティブ運用とは言えません。アクティブ運用には、その方向性の違いによりいくつかの種別が存在します。

 グロース型は株式の成長性に着目したアプローチ、バリュー型は市場の評価が本来価値よりも低い株式に注目するアプローチです。グロース型にも2つの方向性があり、成長株投資は株式の成長性のみに注目する投資方法で、中小型株投資は成長株の中でも時価総額の小さい中小型株を選好する手法です。なぜ中小型株なのかというと業績が向上した時の株価の上昇スピードが速いからです。先程のピーター・リンチ氏もこの方法を得意としていました。

 バリュー型の2つの方向性は、バリュー株を買って値上がり益を狙うバリュー株投資と、バリュー株の中でも高配当株を選考して配当収入を目論む高配当株投資があります。高配当株投資は、もし株価が低迷した時でも確実な収入が期待できるというメリットがあります。筆者はこの4つの種別の中では、成長株投資と高配当株投資をおすすめしています。

 問題はアクティブ運用にどれだけの投資資金を振り分けるか、という部分です。実は、個人投資家が投資をやめてしまう理由で上位を占めるのが以下の理由です。

「資産が減ってしまったから」「投資する余裕が無くなったから」というのが1・2フィニッシュです。詳細な理由については触れられていませんでしたが、恐らくはリスクの取り過ぎが原因かと思います。

 アクティブ投資に取り組む際には、自分がどんな方向性で投資に取り組むかに加え、最大でも投資資金の2~3割程度に全体の購入金額を抑えることが必要だと思います。

 ではまた、興味があればお立ち寄り下さい!

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