株価の騰落にどう対応するか?

 こんばんは、ヤギ仙人です。日経平均株価は8/5(月)に4,451円安、8/6(火)に3,217円高とどちらも過去最大の下げ幅・上げ幅を記録して、まるでジェットコースターのよう。こんな時、少しでも投資をしている人ならまったく気持ちが落ち着かないですよね。今回はそんな株価の騰落にどのように対応すればいいのかという、投資の永遠のテーマについてお伝えします。

相場とはどの様なものか?

 まずは、「株式市場の騰落=相場」とはどの様なものなのかを理解する必要があります。

最初に覚えるべきなのは「相場とは『買われ過ぎ』と『売られ過ぎ』を繰り返すものである。」ということです。確かに物事の価格を決める仕組みとして、これ以上合理的なシステムは現状存在しません。しかし、それでも人間が行う以上、システムのバグのように「行き過ぎ」が必ず発生します。逆にいうと、それがあるからこそ相場で想定以上の利益を上げることが出来るのです。ただ、今回の日経平均の騰落はあまりにセンシティブです。なぜこんなことが起きるのでしょうか?

 まず、全世界的なトレンドですが「Webにより世界が1つにつながった」ということが挙げられます。

こちらはWebサイト「かぶれん」が作成したNYダウの1986年からの長期チャートです。これを見ると2008年のリーマン・ショック以降、株価の上昇の勾配が急になったのがわかります。ちょうどこの時期、Webの普及により米国株は世界のどこからでも取引できるようになりました。そうなると上昇の勾配も急な分、株価調整時の下落幅も大きくなります。世界的なWebの普及により、株式市場の騰落は以前より大きなジグザグを描きながら上昇する傾向が強まったのです。

 ここからは日本株固有の理由です。極端な円安是正のため、日銀は7月末の政策決定会合で政策金利の0.25%程度の引き上げを決定しました。これが「円安⇒企業の業績向上」というシナリオを逆回転させ、株価の乱高下を招いたというものです。この理由は新聞等でも既報の通りです。私達投資家から見ると、中央銀行というのは常に余計なことしかしない、という印象ですね。

 3つ目の理由は「日本株が代替品として買われているから」です。中国の不動産バブルの崩壊により、海外の投資家は資金投下を中国株から日本株に切り替えていました。つまり、日本株は中国株の代替品だったワケです。そこに、アメリカの景気減速への懸念が起こったため、明確な理由もなく買っていた日本株が真っ先に売られたというもの。日経新聞8/9朝刊でも「日本株買い 一旦リセット」という記事で「ヘッジファンドなど短期マネーの資金流出が目立ち、2024年初来からの累計で売り越しに転じた。」と報じられています。

どう対応するのが良いのか?

 近年、益々激しくなった相場の値動きに対し、私達投資家はどのように対応したら良いのでしょうか?それには、自らの投資のスタンスが大きく関わってきます。

上の表にあるように、インデックス運用とアクティブ運用では売買方法が異なります。インデックス運用が「積立投資など定期的な購入」であるのに対し、アクティブ運用は「市場動向に応じて購入・売却」です。

 従って、あなたがインデックス運用主体で運用しているのなら、今回の乱高下への対応は何もしないが正解です。何もしないで淡々と積立投資を続ける。積立投資とは、株式市場が良い時も悪い時も続けるのがセオリーです。もっと言うと、日々の値動きすら見なくても良いと思います。

 逆に、あなたがアクティブ運用主体で運用しているなら以下のような対応になります。

キャッシュポジションとは、ポートフォリオの中での現金の比率のことです。アクティブ運用を行っている投資家は、市場が予想以上に上昇してくると上昇率の高い銘柄の一部を売却して現金の比率を増やします。そして、市場が予想以上に下落した場合には「下がったら買うリスト」の中から銘柄を選んで購入します。ということは、もちろん何もない時に「下がったら買うリスト」を準備しておく必要があります。

 相場の値動きに対する対応は、その人の運用スタイルによってこれだけ異なるのです。

先人たちはどう対応して来たか?

 そうは言っても「これだけ相場が乱高下したらとても平静ではいられない」というのが投資家の本音だと思います。そんな時は先人たちの言葉が参考になります。まずは相場格言から。

相場の本質は今も昔も変わりません。昔の人もよく理解していたようです。

そうなんです。山が高い時に調子に乗らず、下がった時の準備をしておくべきでした。

常に市場に参加し続ける必要はないということですね。

 また、実在する投資家たちの言葉も心に響きます。

「伝説のファンドマネージャ」と言われ、数多くの銘柄を手掛けた男の言葉だと思うと重みが違います。

チャンスが来るまで無駄な売買をしないことで有名なバフェット氏らしい言葉です。

 実はプロの投資家と比べて私達のような一般投資家が有利な点が1点あります。それは「毎日市場に参加する必要がないこと」。投資というものは、焦って無駄な動きをすると必ず失敗します。先人たちの知見を生かし、時には市場から遠ざかって冷静に物事をながめてみるのも良いかもしれません。

 興味があれば、またお立ち寄り下さい!

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