新NISAの「成長投資枠」をどう使う?

 こんばんは、ヤギ仙人です🐐。2025年も間もなく折り返し地点ですが、新NISAの運用はうまく行ってますか? 新NISAというと必ず聞かれるのが「成長投資枠をどう使ったらいいか?」です。そこで今回は、投資の初心者に限定して成長投資枠をどう使うべきかをお話しします。

今回の対象はこんな人

 イメージしやすくするために、今回の対象を絞り込みたいと思います。

今回の対象は•••
  • 新NISAで投資を始めた投資初心者
  • 投資額は月3万。「つみたて投資枠」でオルカンとS&P500の投信に半分ずつ
  • 「成長投資枠」をどう使ったらいいか正直迷っている

 周りに結構いますよね、こういう人。あなたもその1人かもしれません。この悩みに対する雑誌や証券会社のサイトの答えは概ねこんな感じじゃないでしょうか。

<成長投資枠の使い方>

① NASDAQ連動等よりリターンの高いインデックスファンドへの投資

② 自分の好みに合うアクティブファンドへの投資

③ 個別株を選んで成長株投資や高配当株投資を行う

 なんだかもっともらしく見えますが、筆者に言わせるとこれ全部「難アリ」なんです。

3つの選択が「難アリ」な理由

 筆者のおススメは「そのままで良し」。筆者が提唱する「ものぐさ投資」は、インデックス投資→成長株投資→高配当株投資とライフサイクルに合わせて投資方法を変えよう という考えですが、少なくとも新NISAの上限までは愚直にインデックス投資を続けるべきだと思います。では、上記3つの選択肢のどこに難があるのでしょうか?

① NASDAQ連動等よりリターンの高いインデックスファンドへの投資

 これはズバリ「リスクが高いから」です。こちらのグラフをご覧下さい。

 これは同じ運用会社のオルカンとNASDAQ100に連動する投資信託のここ半年のグラフですが、NASDAQ100は今回のトランプショック程度でもこれだけ下がります。投資初心者はそこまでのリスクを背負うべきではないというのが筆者の考えです。

② 自分の好みに合うアクティブファンドへの投資

 これもズバリ言うと「儲からないから」です。以下のグラフは金融庁が2023年に発表したレポートの中の「インデックスファンドを上回ったアクティブファンドの割合」です。10年で見るとインデックスファンドを上回れるファンドは、日本で33.3%、米国では13.4%しかありません。この程度であればインデックスファンドへの投資を続けた方が安心だと思います。

③ 個別株を選んで成長株投資や高配当株投資を行う

 これは中級者以上ならアリな戦術です。実際、昨年の運用調査でも成長投資枠で高配当株投資を行う個人投資家が結構いることが浮き彫りになりました。しかし、今回の対象は投資初心者。個別株を選ぶ眼力はまだありません。まずは新NISAの限度額一杯までインデックス投資を継続し、増やした金融資産を使って成長株投資や高配当株投資を行うのが正しい戦略ではないかと思います。

成長投資枠は無理に使う必要はない

 当然ですが成長投資枠は使うことが出来るというだけで無理に使う必要はありません。もう一度新NISAのおさらいをしておきましょう。

 いつもの概念図です。大事なのは「非課税保有限度額」の部分が旗竿地のようになっているところです。おわかりだと思いますが、これは「成長投資枠を使うことも出来るけれど、つみたて投資枠だけでもOKで その場合の非課税枠は1800万円ね」という意味です。

 従って、何か使うアテがなければ成長投資枠なんてものは放っておけばそれでいいのです。

 投資家というのは不思議な生き物で、儲けられる可能性がある場合にそこに投資をしないのは何か損をしたような気持ちになります。しかし、成功する投資家ほどリスクとリターンを検討して投資をしないと決めたら、容易に決定を覆さないものです。「賢明な愚直さ」こそが投資に必要な資質なのかもしれません。

 今回は「成長投資枠の活用法」についてお話ししました。結果、使わないという結論でしたが、それも立派な活用法ではないかと思います。ではまた!

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