ポートフォリオに金を組み込む

 こんばんは、ヤギ仙人です。一時期、金価格の高騰が話題になりました。しかし、本当に有益なのは金を資産のポートフォリオに組み込んだ時です。そこで今回は、投資の中級者向けに金をポートフォリオに組み込むと何が良いのかを説明します。

金の歴史と価値の源泉

金は昔から安全資産の代表

 金が人類の歴史に登場するのは紀元前6000年頃のメソポタミア文明です。歴史に登場したその瞬間から、価値のある物として扱われて来ました。支配階級の副葬品として出土する例が多いことからもそれがわかります。それ以降、世界各国で最も価値の高い貨幣として流通しました。

 金融の世界では「有事の金」と言われ、戦争やインフレなど不測の事態が起こると金価格は上昇しました。このように金は安全資産の代表として扱われて来たのです。

価値の源泉は「希少性」

 ではなぜ、企業のように価値が向上する訳でも配当を出す訳でもない金が大事にされるのでしょうか? その価値の源泉は「希少性」です。

 人類がこれまで採掘してきた金の量は約18万トン。これはオリンピックの公式競技用プールの約4杯分です。残りの埋蔵量はもうプール1杯分しかないと推定されているのです。全世界でこれだけ限られた量の金を共有しているワケですから、それは価値も上がろうというものです。

ポートフォリオを向上させる仕組み

 そんな金がなぜ私たち投資家のポートフォリオを向上させるのか? それは、「投資とは、資金を値動きの異なる資産に分散することで、リスクを低下せさ、リターンを向上させるもの」だからです。金の値動きは株式との連動性が低い性質があるためリスクヘッジになるのです。

 以前も登場した「myINDEX 資産配分ツール」でシミュレーションしてみましょう。元になるポートフォリオは「日本株30%、米国株40%、先進国債券30%」。ここから、日本株を10%減らして 金を10%入れてみます。

 平均リターンで0.6ポイント、リスクで0.8ポイントの改善が見られたのです。驚くべきはリスクだけでなく、リターンまで改善されたことでしょうか。それだけ、ここ数年の金のリターンが高かったということかと思います。

どのようにポートフォリオに組み込むか?

 では、そんな金をどのようにポートフォリオに組み込むか? それにはいくつか方法がありますが、簡単にまとめると以下のようになります。

金地金延べ棒等を購入。保管が大変で手数料が高い。
金貨金貨を購入。保管がやや大変で手数料が高い。
純金積立現物を定額で積立。保管は業者だが手数料がかかる。
金投資信託金の投資信託に投資。信託報酬が高め。新NISA対応も。
金ETF金のETFに投資。信託報酬がかかる。新NISA対応も。

 正直、私たち一般投資家が現物を購入するのは難しい気がします(夜な夜な金の延べ棒をなでて自分の成功を実感したい、という方は別ですが)。そこで筆者がおススメするのが金のETFです。

代表的な金ETF
  • GLD    名称:SPDRゴールド・シェア          経費率0.40%
  • GLDM    名称:SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト  経費率0.10%

 GLDは機関投資家や大口投資家の購入が多く、一般投資家はGLDMを購入することが多いようです。筆者もGLDMを保有しています。どちらも新NISAで購入できることもポイントです。

 今回はポートフォリオに金を組み込むメリットについてお話ししました。ここしばらくは金の価格も安定しており、仕込みやすいのではないかと思います。ではまた!

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