こんばんは、ヤギ仙人です🐐。現代の投資に資する著作を紹介する「投資の名著」シリーズ。第4弾はジェレミー・シーゲルの「株式投資 第6版」です。分厚い本ですが長期投資の真髄を知るには最適な本です。早速その理由を説明しましょう。
どんな本と著者なのか?
本書は株式投資の「長期投資のバイブル」と言われています。なぜそう言われているかというと、200年以上にわたる豊富なデータで長期投資の有用性を理路整然と実証しているからです。投資家の間でも初級者から中級者になるためには必読の書とされていて、このブログでも何度かデータを引用させてもらっています。代表的なのが以下のグラフです。

このグラフには次の様な説明が加えられています。「220年にわたって各資産のリターンを計測した結果、広く分散された株式ポートフォリオの実質リターンは年率6.9%であった。この年率6.9%という数値は、インデックスファンドのような完全に分散された株式ポートフォリオが、2世紀以上の間、10年ごとに購買力がほぼ2倍になったことを意味している。」(「株式投資 第6版」より)
なんだか著者の性格を表すようなリアリスティックな説明ですね。

そんな著者のジェレミー・シーゲル教授はコロンビア大学出身。1971年にMITで経済学の博士号を取得。ポール・サミュエルソンらに師事しました。翌年、シカゴ大学ビジネススクールの教員となり、以来一貫して大学で教鞭を取りました。1994年にはビジネスウィークが実施したビジネススクール教授の世界ランキングで教育の最高評価を受けています。
1994年には本書の初版を出版しベストセラーに。その後、最新の事象やデータを書き加えて版を重ね、今回の第6版にいたっています。
派手さがないからこそ伝わるリアリティ
本書が名著と言われる理由は、200年以上の長期スパンで市場を観察することにより どんな投資方法が有効かを客観的に抽出していることです。その結論に派手さはなく、面白味には欠けます。しかし、だからこそ否定しようのないリアリティがあります。
シーゲル教授が抽出した有効な投資方法は以下になります。
① 広く分散された株式への長期投資
② 株式は利益水準に対し割安に購入すること
③ 良好なファンダメンタルの株式を保有し続けること
要約すると味も素気もない結論になりますが、これを豊富な事例とデータから論理立てて説明されると何とも言えない説得力があるのです。
また、本書で一貫して主張されているのが「成長株神話への戒め」です。人気が集中して実力以上に買われた株は必ず下がるという事実。シーゲル教授が推奨するのは意外にも「バリュー株」(ファンダメンタルに比べて株価が低い銘柄群)です。
「株式市場の長い歴史を見れば、長期にわたって人気がない株式、セクターや国は、将来のリターンが良くなることが多い。」(「株式投資 第6版」より)
まさに長期で市場をウォッチしていないと出てこない結論ではあります。
どんな人が読むべきなのか?
本書は以下のような投資家が読むべきだと思います。
- NISAを経験し本格的に投資に取り組みたい人
- 有効な投資方法を論理的に理解したい人
NISAで投資を始めてインデックス投資である程度の評価益は上がっている。これから本格的に投資に取り組むに当たって、どんな投資方法が有効かを過去のデータから論理的に理解したい人には最適な本だと思います。
もちろん、200年以上の市場の分析が短くまとまるワケがありません。全512ページ、税込4,180円の大著になります。でも、図書館で借りたりせずに是非買って読んで下さい。存分に線を引いたり、付箋をつけて読むことで、あなたがこれから投資を続ける上での血肉になることを請け合います。
今回は投資の名著「株式投資 第6版」を取り上げました。今後も読者の投資に役立つ良書があれば紹介します。ではまた!
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