こんばんは、ヤギ仙人です🐐。現代の投資に資する著作を紹介する「投資の名著」シリーズ。第3弾はチャールズ・エリスの「敗者のゲーム」です。なぜ、この本が名著と呼ばれるのか? 早速その理由を解説して行きましょう。
著者の慧眼が生んだ「市場との正しい向き合い方」
今回紹介する「敗者のゲーム」は、以前紹介したバートン・マルキールの「ウォール街のランダム・ウォーカー」と共に「インデックス投資を世に広めた本」の双璧とされています。
この本の位置付けをひと言でいうと、「インデックス投資の強みを把握した上で、市場とどう向き合うべきかを説明した本」ということになります。

タイトルの「敗者のゲーム」とは以下のことを指します。テニスには「勝者のゲーム」と「敗者のゲーム」の2種類があります。プロ選手が行う「勝者のゲーム」はポイントの80%が自ら勝ち取ったものであるのに対し、アマチュアが行う「敗者のゲーム」は80%が自滅によるもの。株式投資のマネーゲームは優秀な専門家が集まり過ぎたために、圧倒的な勝者が存在する「勝者のゲーム」から「敗者のゲーム」に変質してしまった。そこで勝ち残る秘訣は、相手より失点を少なくすることしかない。
著者のチャールズ・エリス氏は、この考えに基づいて「現代の市場とどう向き合うべきか」について数々の有益な示唆を行なっています。
名著と言われる具体的な理由はどこにあるのか?
この本が名著と言われる理由は以下の2点です。
著者のエリス氏は、投資で利益を上げるために「投資計画」を重視しました。著者が重視した「投資計画」とは以下のような行動です。
・投資目的に合わせた運用基本方針を策定すること
・その達成のために望ましい資産配分比率を決定すること
考えてみれば当然のことですね。ただ、多くの投資家が投資計画を持たずに思いつきで取引を行うか、投資計画はあってもそれを守れていない。そんな投資家に著者はこう言い切ります。
「投資で成功する秘訣は、投資計画をしっかり考え、それに沿って長期的に投資すること、ただそれだけだ。」(「敗者のゲーム[原著第8版]」より)

株式投資に関する議論では、必ず「どうやって市場平均を上回るか?」が検討されます。筆者も不思議に思っていたのですが、それって本来プロのファンドマネージャーが考えればいいこと。でも、個人投資家もなぜか一緒になって考えてしまっている。
著者のエリス氏は、個人投資家が「市場に勝つ必要などない」と明言しています。上記の運用基本方針と資産配分比率を決めて長期的なスタンスで投資を行えば、十分な利益が上がるはずだと。むしろ、個人投資家が市場に勝とうとすることは「虚しい努力」であると一刀両断しています。
どんな人が読むべきなのか?
本書はこんな投資家におススメだと思います。
- インデックス投資の強みをある程度理解した人
- 自分独自のポートフォリオを構築したい人
本書はインデックス投資のメリットについて再確認しながら、そこから一歩進んで運用基本方針と資産配分比率について説明しています。インデックス投資の強みをある程度理解した人が、次の段階に進むために読むにはとても良い本だと思います。
そして、インデックス投資を行うだけでなく、長期的に自分独自のポートフォリオを構築したい人にも最適です。筆者は常々 投資で大事なことは「ポートフォリオを構築すること」と申し上げていますが、具体的にどのような手順で構築するかを知るには最適な本だと思います。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」と「敗者のゲーム」は、この順番で読むことで、インデックス投資を軸に市場でどのような投資をしていくかが理解しやすいため、「投資の名著」として並び称されているのです。
今回は投資の名著「敗者のゲーム」を取り上げました。今後も投資をする上で読むべき本があれば紹介します。ではまた!
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