成長株の15の選択基準

 こんばんは、ヤギ仙人です🐐。以前、「成長株の売り時」という投稿で米国の投資家フィリップ・フィッシャーを取り上げました。今回はそのフィッシャー先生がどのように株式を選んでいたのかがテーマです。なかなかハードルが高いですが、ぜひ参考にしてみて下さい。

フィリップ・フィッシャーとはどんな投資家か?

 フィリップ・フィッシャーを知らない人のために、どんな投資家なのかをご紹介しましょう。

 フィリップ・フィッシャー(1907-2004)は、20世紀を代表する米国の投資家で、成長株の発掘によって成功を収めたことから「成長株投資の父」と呼ばれました。あの「オマハの賢人」ことウォーレン・バフェット氏の成長株投資の師であり、フィッシャーの手法を学ばなかったら、バフェット氏はあれだけの資産を築くことは出来なかっただろうと言われています。

 その投資手法は、厳格な選択基準により自ら発掘した成長株への集中投資でした。これにより、総合科学メーカーのダウ・ケミカルを始め、携帯電話のモトローラ、半導体メーカーのテキサスインスツルメンツ、特殊ガラスのコーニング等を発掘し、長期間保有することで投資額を何十倍、何百倍にもしたのです。

 そのエピソードは、彼の著作である『フィッシャーの「超」成長株投資ー普通株で普通でない利益を得るために』(フォレスト出版)に書かれていますが、すでに市場に存在しない銘柄も多く、読み物としてはあまりおススメ出来ません。ただ、その中で参考になるのが、今回のテーマである「成長株の15の選択基準」です。

「最高の株を選び出すための15のポイント」とは?

 この本の中でフィッシャーは、「最高の株を選び出すための15のポイント」というタイトルで以下の項目を挙げています。

最高の株を選びだすための15のポイント

今後5年以上売上を伸ばせる商品を持つ

5年後以降も売上拡大が続けられるような新商品開発の見通しがある

研究開発に熱心でそこから十分な成果を生み出す体制がある

営業部門が優れている

投資に値する営業利益率がある

営業利益率を維持・改善する努力をしている

良好な労使関係を築いている

管理職の能力を引き出す環境を築いている

優秀な管理職が豊富である

しっかりしたコスト分析・財務分析を行っている

競合に勝つための業界特有のスキルを備えている

収益に関して長期的な展望を持っている

増資をするリスクがない

経営者は都合の悪いことも正直に語る

経営者は投資家に対して誠実である

 この「15のポイント」は成長株を選ぶためのポイントとして非常によく出来ていると思います。全体として、企業が長期的に成長していくための必要にして十分な条件が網羅されています。ただ、直接取材しないとわからない所もあり、個人投資家がこのまま実践するのは難しいと筆者は思います。

「15のポイント」のエッセンスを抽出する

 フィッシャー流の成長株の選択方法は、いわば「ベテラン刑事の捜査方法」です。つまり、公開された資料をよく読み込み、聞き込みで情報を拾っていくやり方です。この方法が効果的なのは彼の投資結果を見れば明らかですが、正直 弟子であるウォーレン・バフェットでもそこまで出来てはいません。

 15のすべては無理でも、そのエッセンスを凝縮してくみ取ることが出来れば、成長株の選択に資するのではないかと思います。実は15のポイントをジャンルに分けると以下の4つに分類出来るのです。

フィッシャー流 選択基準のエッセンス

 1)売上を拡大する力 → 

 2)利益を生み出す力 → 

 3)社員・管理職の質 → 

 4)経営者の姿勢   → 

 分類された項目の数の多さで、フィッシャーがどのジャンルを重視していたかも分かりますね。公開されている資料や新聞記事で上記の4項目をどの程度満たすのかをチェックするだけで、他の投資家より総合的な視点で銘柄を選ぶことが出来るのではないかと思います。


 今回はフィリップ・フィッシャーの「成長株の15の選択基準」について説明しました。銘柄を選ぶ基準はとても奥が深いですね。ではまた!

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