2025年の世界を変える10大技術

 こんばんは、ヤギ仙人です。投資、特に成長株投資をするに当たって、将来の展望は欠かせない要素です。その意味で毎年年頭に更新される貴重な情報が「MITテクノロジーレビューが選んだ世界を変える10大技術」です。今回はその中から今後の投資に役立つ項目を3つピックアップして解説します。

世界を変える10大技術とは何か

MITテクノロジーレビューとは?

 MITテクノロジーレビューとは、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)によって1899年に創設された世界で最も歴史と権威があるテクノロジー誌。「私たちの世界をテクノロジーがどう形つくっているか」を理解する知見を読者に提供することを目指し、高い知性に基づく明確で信頼に値する選別眼を読者に提供することが目標だそうです。

 そんなMITテクノロジーレビューが毎年年頭に発表しているのが「世界を変える10大技術」です。「世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジー」の2025年版が以下になります。

世界を変える10大技術 2025年版

MITテクノロジーレビューが選んだ、世界を変える10大技術

https://www.technologyreview.jp/s/353630/10-breakthrough-technologies-2025/

 10の技術を手っ取り早く表にするとこうなります。

 どれも凄そうな技術ばかりですが、詳細が気になるものはWebサイトでご確認下さい。今回はこの中から2025年の投資に影響を与えそうなものを3つ選んで解説します。

投資に影響を与える3つのキーワード

 その3つとは、②生成AI検索③小規模言語モデル⑦高速学習ロボットです。実はこの3つ、互いに関連していて3つを合わせると1つの将来像が浮かび上がってきます。順を追って説明します。

生成AI検索

 生成AI検索とは、「人工知能(AI)を使ってユーザーの質問に回答する検索システムです。ユーザーが文章で質問を入力すると、AIがその質問の意図を理解し、関連するコンテンツから回答を生成します」。実はこの文章も生成AI検索の回答です。

 グーグルはすでに「Gemini(ジェミニ)」という名称で世界中の10億人以上に展開しているほか、マイクロソフトとオープンAIも2024年に生成AIバージョンの検索をリリースしています。生成AI検索が普及すると、従来の検索エンジンを中心としたエコシステムは崩壊します。なぜなら回答そのものが提示されてしまうためにユーザーが元のソースに遷移する理由がなくなり、それらのWebサイトから本来得られるはずの広告収入を奪ってしまうからです。その反面、将来の個人用AIアシスタントへの進化には欠かせない技術です。

小規模言語モデル

 小規模言語モデルとは、生成AIの仕組みの1つ。これまでの生成AIは大規模言語モデルと言われるもので、Web上の膨大なデータで訓練するために大きな導入コストと使用電力が必要でそれが導入する側の負担となっていました。

 小規模言語モデルは、特定の分野に特化することで、低コストで省電力であるにも拘わらず大規模言語モデルに匹敵する性能を発揮します。開発には多数のスタートアップに加え、マイクロソフト、アップル、メタ、グーグルといった巨大テックもこぞって参入。医療や法律、金融など特定の分野での使用に適していると同時にクラウドにリクエストを送信せずにクローズドサーキットで利用できる点もメリットとなります。

高速学習ロボット

 高速学習ロボットとは、手短に言うと生成AIにより効率良く学習できるようになったロボットのこと。SFに登場するような高性能なヒューマノイド(ヒト型ロボット)の登場が間近に迫っています。

 先端半導体メーカーのエヌビディアはロボットの基盤技術を無償提供することを発表しました。アマゾンは自社の倉庫にアジリティ・ロボティクス社のヒト型ロボットを導入し実証実験を始めています。グーグルやメタなど巨大テックも独自にヒューマノイドの開発に着手し始めています。

見えてくる将来像とは?

 順を追って読まれた方はもうお分かりだと思いますが、見えてくる将来像とは「高性能ヒューマノイドが活躍する未来」です。

 映画「スター・ウォーズ」のC-3PO(左)とR2-D2(右)さながら、人間と共に活動し仕事をする高性能ヒューマノイドです。

 そのひとつの方向性は、限定的で専門的な分野で能力を発揮するヒューマノイドです。

 先程のアマゾンの倉庫などは比較的近い将来、ヒューマノイドだけが働く職場になると予想できます。また、小規模言語モデルに対応したヒューマノイドなら弁護士をサポートするパラリーガルへの導入も考えられます。

 もうひとつの方向性は、コンシェルジュあるいは秘書です。要するに個人の活動をサポートするAIアシスタントです。当面はスマホに個人用AIアシスタント機能が付加されれば相当便利になりますが、将来的にはヒューマノイド秘書の登場が待たれます。2025年以降はこの「高性能ヒューマノイド」というテーマも意識しながら投資対象を考える必要があるかもしれません。

 今回は「2025年の世界を変える10大技術」というテーマでお送りしました。投資に非常に参考になる視点ですので、来年もこの時期にお伝えしたいと思います。ではまた!

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