こんばんは、ヤギ仙人です。新NISAがスタートして丸1年が経ちました。先日は「投資信託の半分が解約されていた」という衝撃のニュースを伝えましたが、新NISA全体では一体どうだったのか? 今回は年末にリリースされた2つの調査から、新NISA開始1年での成果と課題をまとめました。
新NISA利用者の7割超が運用益を確保
まずは日経新聞が12月25日に配信したこちらの記事から。
<日経>新NISAの利用者、7割超が運用益確保
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB240UA0U4A221C2000000/
データは、QUICK資産運用研究所が11月に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」(対象:18~74歳、5,075人)。新NISAの利用者は全体の31%に当たる1,571人。利用していない人に今後利用する可能性を聞いたところ、4割超が「今後利用する予定なし」と答えているということです。

新NISAで何に投資しているか複数回答で聞いたところ、成長投資枠では国内の個別株式が54.8%で最も多く、つみたて投資枠ではインデックス型(指数連動型)投資信託の全世界株式型が46.3%で首位、先進国株式型が30.5%で2位だったそうです。そして、調査時点の運用成績を聞いてみると、運用損益がプラスと回答した人の割合が70.7%に。損益区分別では「プラス10%以上30%未満」が32.4%で最も多かったと言います。

面白かったのは、金融の知識が高い人ほど新NISAを利用しているのがわかったこと。金融に関する問題を出して、レベルをAからDまで4段階に分けたところ、Aレベルの新NISA利用者が62.0%だったのに対しDレベルは13.7%だったということです。
投資初心者の半数に悩みや不安
続いてYahoo!ニュースで12月29日に配信された以下のニュースを見てみましょう。
<Yahoo!ニュース>新NISA開始から一年、初心者の半数に悩みや不安
「暴落が不安」「今の銘柄でよいのか」
https://news.yahoo.co.jp/articles/a2e71c879750ec297ea0c020ee2fa6a2b0fac113

Yahoo!ニュースでは、昨年12月にNISAの利用者1,000人を対象にアンケート実施。この一年でNISAを始めたと回答した人の67%が、保有している投資信託について基準価額の値動きや利益の確認を「毎日~週に1回はしている」または「月に数回している」と回答。関心高く投資を続けている様子がうかがえたそうです。
自由回答欄では、「暴落する不安が常につきまとう」「専門家は直近の乱高下はあまり気にしないでよいと言うが、やはり下がると心配になってしまう」と乱高下おびえる姿に加え、
「とりあえずオルカン(投資信託の銘柄『eMAXIS Slim 全世界株式オール・カントリー』の略称)のみで本当にいいのかわからない」「今の銘柄で本当によいのか不安」と自信がないまま投資を続けている姿も浮き彫りになったということです。
2つの調査から何が読み取れるか?
今回の調査を見て思ったことは以下の2点です。
新NISAのスタートから1年弱で含み益が7割というのは正直出来過ぎだと思います。特に、損益区分別で「プラス10%以上30%未満」が最も多かったというのはリスクを取り過ぎている可能性があります。昨年はたまたま相場環境が良かったために含み益が出ましたが、リスクを取り過ぎていると相場環境が悪い時のマイナス幅も大きくなります。目先の利益にこだわらず長期的な視点で投資に取り組むべきかと思います。
2つの目の調査のまとめで「自信がないまま投資を続けている姿も浮き彫りになった」と報じられています。一つは、上記のリスクの取り過ぎが不安の原因ではないかと思います。もう一つは、投資とは元々不安を伴う作業だということです。だからこそ投資の仕組みや金融商品について勉強するのです。つまり、不安をどう解消するかが投資と付き合うということ。不安は投資を学ぶ原動力として活用しましょう。
今回は新NISAが開始1年でどのような結果だったかをお伝えしました。新NISAについては気になる点があれば引き続きお伝えして行こうと思います。ではまた!