こんばんは、ヤギ仙人です🐐。米国とイスラエルによるイランへの攻撃からまもなく4週間が経とうとしています。株式市場も打撃を受けましたが、資本市場が戦争や紛争の影響を受けるのはある種の宿命のようなもの。今回は長期的な視点で戦争の影響をどう捉えるかを考えます。
今回の紛争が市場に与えた影響は?
まず、今回の紛争が資本市場に与えた影響を市場ごとに見て行きましょう。

日本株はTOPIX、米国株はS&P500、欧州株はドイツのDAXで比べてみると、2025年のリターンが良かったTOPIXとDAXの下げが顕著でS&P500はそれほど影響を受けていないことがわかります。

為替と金の動きです。ドル/円は今回の紛争発生直後からドルが買われて円安が進んでいます。金は紛争発生直後に売られ、時間が経過した後もやや値を下げているようです。
全体的に見ると、今回の紛争の影響は今まで上げが顕著だった日本株と欧州株に色濃く出ているようです。あとは原油価格にどれだけ影響があるかを市場は注視しているように見えます。
資本市場と戦争のカンケイ
古くから資本市場と戦争は微妙なカンケイであり、様々なドラマを演じてきました。中でも有名なのは19世紀初頭にロンドンを拠点にロスチャイルド財閥の勢力拡大を牽引したネイサン・ロスチャイルドの逸話です。

1815年、ナポレオン率いるフランス軍とイギリス・オランダ・プロイセンの連合軍によるヨーロッパの帰趨を決める戦いがベルギーのワーテルローで行われました。ネイサン・ロスチャイルドは、騎馬や伝書鳩という独自の高速通信網を使って「ナポレオン敗れる」の情報をいち早く入手。最初はあえてイギリス国債を売り浴びせました。周囲の投資家は「ロスチャイルドが売っているということは、イギリスは負けたに違いない」と思い込み、パニック売りで国債市場は急落しました。国債価格が底値に沈んだ瞬間、ロスチャイルドは態度を一変させ、大量のイギリス国債を買い集めます。国債価格はその後急騰し、ロスチャイルドは莫大な利益を得ることになりました。
他にも、戦争で富を築いた者、破滅した者、エピソードには事欠きません。投資家にとって戦争は相場が大きく動く時であり、だからこそ次にどのような行動を取るかの判断が難しい時期でもあるのです。
過去の事例から市場の傾向を端的な言葉で表したものが相場格言です。最近は格言に当てはまらない状況も多々あり、自分なりの蓋然性の確認が必要です。
「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」
地理的に遠い場所の戦争は直接的な被害が少なく、特需の可能性もあるので「買い」、地理的に近くの戦争は直接的な被害の可能性があるので「売り」という意味です。近年は世界的に経済が密接に繋がっているため、格言通りに行かないことも。今回も原油価格高騰の影響で日本株は下落しました。
「銃声が鳴ったら買え、ラッパが鳴ったら売れ」
戦争や紛争は始まった瞬間の暴落こそが絶好の買い場であり、勝利のラッパにより平和が訪れた時が売り時である、という意味の格言。今回の紛争の場合はどの市場も発生直後に値を下げており、格言は当てはまりませんでした。
「有事のドル買い」
戦争やテロ、災害などの危機的状況では世界で最も信頼性が高く流動性がある米ドルを安全な避難先として投資家が買い求める現象を指した言葉です。今回も当事国でありながら米国のドルは買われました。
「有事の金」
同様に戦争やテロ、深刻な経済危機などの非常事態では安全資産として金(ゴールド)が買われ、価格が上昇する傾向にあることを表す言葉です。今回は金は下落傾向にあり、格言通りには行きませんでした。
検証してみると、当てはまる格言もありますが、やはり個々の状況次第という部分がありそうですね。
今回の紛争から導き出せる教訓は?
今回の紛争を契機に、過去の戦争の事例から今後の教訓を導き出す動きもいくつかありました。
<マネクリ> 米国長期投資家のための、過去40年の間で起きた戦争から学ぶ教訓(2月28日)
過去から学ぶべき教訓を端的に言うと、「戦争で株価が下がるのは一時的であり、下がった株は買い時である」ということのようです。但し、当たり前ですが個別株を買う場合は業績が好調であることが前提となります。
実は、2020年代は今回の紛争以外にもロシア・ウクライナ戦争やガザ紛争など冷戦後最も国際秩序が不安定化した時期とされています。貧富の差が広がると国内の不満を逸らすため国家は右傾化して紛争を起こしやすいとも言われていています。経済の発展という視点で見た時に、もはや国家は足枷でしかないのかも知れませんね。
今回は「市場と戦争の微妙なカンケイ」についてお送りしました。ではまた!
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