エヌビディアはなぜ半導体一強を続けられるのか?

 こんばんは、ヤギ仙人です🐐。生成AI向けの半導体で圧倒的なシェアを誇るエヌビディア。「世界No.1の半導体企業」の名をほしいままにしています。なぜエヌビディアは半導体一強を続けられるのでしょうか?その理由を探りました。

生成AIブームと共に業績・株価は急上昇

 エヌビディアの時価総額は現在4.9兆ドルを超え、2024年6月に世界首位に立って以来トップを独走しています。時価総額の規模を例えると、1社で日本の2025年のGDP(662兆7885億円)を優に超えると言えばわかりやすいと思います。ここ数年は「エヌビディア一強もついに終焉か!?」とささやかれながら、まったく揺らぐ気配がありません。

 まずは業績と株価の推移を見てみまよう。

業績

 元々PCゲーム等の画像処理用に開発されたエヌビディアのGPUが、生成AIの学習・推論に最適であることから転用されるようになりました。2024年1月期からは折りからの生成AIブームで需要が急拡大。倍々ゲームで売上・利益が急増しました。

株価

 業績に呼応するように株価も急騰。マグニフィセント7の一角として米国ハイテク産業を代表する銘柄になりました。エヌビディア1社の株価が米国株式市場全体を左右する珍しい事態に。筆者も2022年から保有していますがすでに7倍以上になっています。

 ここ最近は、エヌビディアの四半期決算が発表されると、アナリストの予想を上回っているにも関わらず株価が下落するという珍事が発生しています。それだけ過剰な期待がエヌビディアの株価にかけられているということだと思います。

「半導体一強」を続けられる3つの理由

 では、なぜエヌビディアは「半導体一強」を続けられるのでしょうか?考えられる理由を3つ挙げます。

他者を寄せ付けない圧倒的な開発スピード

 まず第1の理由は、他者を寄せ付けない圧倒的な開発スピードです。エヌビディアはAI半導体の開発・投入サイクルを従来の約2年から1年周期へと大幅に短縮しました。しかも、1世代でAI開発に重要な推論性能を数倍から十数倍にアップさせています。これでは、顧客が競合他社に乗り換える理由がありません。

「CUDA」エコシステムによる囲い込み

 第2の理由は、「CUDA」エコシステムによる囲い込みです。「CUDA(クーダ)」とは、エヌビディアが提供するAI開発用のソフトウェアのこと。AI開発者がプログラムを書く際の標準となっています。競合の半導体に乗り換える場合、蓄積してきたCUDAベースのデータが使えなくなるため、多大なスイッチングコストがかかります。

「チップ単体」ではなく「システム」としての提供

 第3の理由は、「チップ単体」ではなく「システム」として提供していることです。エヌビディアは単なる半導体メーカーではなく、AI用のデータセンターを丸ごと設計するシステム企業へと進化しているのです。顧客はエヌビディアにデータセンターを発注することで、「最短で」「最高効率で」AIを動かせる環境を整えることが出来るのです。

 エヌビディアの競合優位性を見る限りにおいては、ライバルがつけ入る隙があまりないように思えます。

生成AI業界を俯瞰で見るとさらに強みが

 競合他社の動きを見ると、大手半導体メーカーのAMDがコストパフォーマンスに優れた次世代半導体を導入する予定であったり、Google、Amazon、Microsoft、Metaといった巨大テック企業が自社のデータセンター向けのAI半導体を開発する動きがありますが、現状エヌビディアの牙城を崩す所までは至っていません。

 さらに以下の2つの視点で生成AI業界を俯瞰して分析してみましょう。

🔹「イノベーションのジレンマ」という視点

 「イノベーションのジレンマ」とは、業界トップの優良企業が合理的な判断をするが故に破壊的な技術を持つ新興企業に敗北する現象のこと(「イノベーションのジレンマ」クレイトン・クリステンセン著より)。優良企業が自社の売れ筋商品にこだわって、画期的な商品開発が出来ないことで競合他社につけ入る隙を与えてしまうのですが、現状のエヌビディアの商品開発スピードを見ていると隙があるようには見えません。少なくともAI半導体においては、競合がシェアで逆転することは難しいのではないかと思います。

🔹「熾烈な生成AI開発競争」という視点

 現在、生成AI業界では熾烈な開発競争の真っ最中です。AIの性能トップもChatGPT→Gemini→Claudeと速いペースで入れ替わります。AI利用の黎明期になるべく優位なポジションを確保するべく各社とも必死なのです。そのような時期に価格が安いからといって性能が未知数の新たな半導体を導入するでしょうか?筆者が経営者であれば、そのような経営判断はとても出来ません。それが出来るのは、生成AIの性能で揺るぎないトップを確立した企業だけです。

 以上から、ゲームのルールが変わらない限りはエヌビディアの首位陥落は考えにくいことがわかります。少なくとも、AI半導体という戦場においては独走し続けると思いますので、あと4年は安泰ではないかと筆者は考えています。


 今回はエヌビディアが半導体一強を続けられる理由について説明しました。状況に変化があればまたお伝えします。ではまた!

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