ゴンチャとスタバに見る日本の強みとは?

 こんばんは、ヤギ仙人です🐐。先日、米投資ファンドによるゴンチャの親会社の買収が話題になりました。ゴンチャといえば、スタバと並んで日本での展開が好調なカフェチェーン。この2つの好調の背景には、日本独自の強みが隠されていたのです。

日本のカフェチェーンは何故か上手くいく!?

ゴンチャの日本市場の売り上げは今年世界一に

 ゴンチャは台湾発のカフェチェーン。それを世界で展開するゴンチャグローバルを米投資ファンドのベインキャピタルが傘下に収めるというのが今回の買収劇です。「すかいらーく」など外食チェーンの買収で実績のあるベインの傘下で、今後の世界展開に弾みをつけるのが狙いです。

 ゴンチャは2006年に台湾の高雄で創業。現在は世界30か国に2000店以上を展開しています。日本では2015年9月に原宿で1号店を出店。タピオカブームを巻き起こしました。その後、コロナ禍では苦戦したものの徐々に勢いを盛り返し、今年の日本市場の売上は店舗数で3倍以上の韓国を抜き、世界No.1に躍り出ると予測されています。

 それを支えているのがロイヤリティ(忠誠心)の高い顧客層です。店舗には熱心なファンが列をなし、好きが高じてお店で働くことを希望。アルバイトの募集では30人の募集に160人近くが集まるという倍率5倍以上の狭き門という事例もあったようです。

スターバックスも日本市場だけが何故か絶好調

 このカフェチェーンでの好循環、どこか既視感がありませんか?そう、プレミアムコーヒーで人気のスターバックス(以下、スタバ)です。

 米シアトル発祥のスタバは1996年8月、銀座の第1号店から日本に進出しました。家庭でも職場や学校でもない「サードプレイス」を標榜し、居心地の良さと顧客の要望に応えることをバリューにファンを拡大しました。国内の店舗数は2026年3月末で2116店。昨今は米国本社が売上減に悩む中、日本市場だけが絶好調という状態が続いています。

 筆者は数年前に参加したテレビ局のイベントコンパニオンの面接でスタバの人気を目の当たりにしました。参加者の女性は将来の女性アナウンサー予備軍ともいえる大学生なのですが、その8割が履歴書の職務経験欄に「スターバックスでのアルバイト」を記入していたのです。彼女達の中では、スタバで働くことは「自分はおしゃれで人当たりが良い」ということを証明することだったのです。

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 なぜ、日本でのカフェチェーンの運営はここまで上手くいくのでしょうか?

日本がチェーン店運営が得意な理由

 実は日本が得意なのはカフェチェーンに限りません。海外からのチェーン店の運営全般です。というのも「海外から輸入されたものを独自のアレンジで磨き上げる」というのは日本のお家芸だからです。

 例えば、日本マクドナルドは上陸以来好調を維持し、世界での売上シェアはアメリカに次ぐ規模です。独自の商品開発に定評があり、「てりやきマックバーガー」は本国アメリカにも逆輸入されました。セブンイレブンも、アメリカで生まれた「コンビニエンスストア」というカテゴリーを日本流に磨き上げ、最終的には米国本社を当時のセブン-イレブン・ジャパンが買収するまでに成長しました。

 これら海外からのチェーンを上手く回してしまう日本流の手法には、以下の3つの特徴があります。

キメの細かいオペレーション

 チェーン店を運営するには正確なオペレーションが必要です。ただ、運営するだけでなくファンを獲得するためには、それを「キメの細かい」レベルまで持って行かなければなりません。顧客の好みに対応するには、そのレベルが必要だからです。これまでに登場した4社はすべてそれを実現しています。

本質を突き詰めた独自の商品開発

 顧客から圧倒的に支持されるためには、商品開発は「独自」なだけでは足りず「本質を突き詰めた」レベルまで昇華させなければなりません。そのため、セブンイレブンの新商品の食品は当時CEOだった鈴木敏文氏自ら試食をして厳しいチェックを行なっていました。日本マクドナルドの「てりやきマック」がアメリカでもヒットした根底にもこの理由がありました。

店と顧客でビジョンが共有されていること

 成功したチェーン店に共通するのがロイヤリティの高い顧客の存在です。ゴンチャにもスタバにも圧倒的に支持してくれるファンがいます。彼らは、お店と単なる商品の取引をしているのではなく、商品を通してビジョンを共有しているのです。スタバの「サードプレイス」はその最たる例です。このビジョンの共有があるために、高いロイヤリティが生まれているのです。

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 3つの中ではが一番難しく、時間の経過とともに消失してしまいます。現にマクドナルドやセブンイレブンにはもはや存在していません。スタバも混み過ぎて週末は時間制限を設ける店舗が出るなどビジョンが失われて来ました。これをいかに保つかが勝敗の分かれ目と言えるかも知れません。

なぜ日本人だけにそんなことが出来るのか?

 では、なぜ日本人だけにそんなことが出来るのでしょうか?その理由は、アジアの辺境にあって大陸からの文化を換骨奪胎して取り込んで来たからです。稲作、言語、国家体制•••etc.重要なものはすべて大陸からやって来ました。私たちはそれを情報が少ない中で受け取り、独自の解釈を織り交ぜながら自分たちのものにして来たのです。

 例えば、「ラーメン」という料理1つ取ってもそうです。

 筆者は40年前、中国に一人旅しました。当時は日本からの旅行者も少なく、大変珍しがられました。香港経由で最初に入った中国の広州は美食の街です。夕方、宿について小腹が空いたため「拉麺」と書かれた屋台に入りました。「本場中国のラーメンが食べられる」そう期待して出てきた物は、鶏のスープに少なめの麺が入って刻んだネギが少々。たったそれだけのものでした。


 そう、中国の「拉麺」は本来 麺とスープを楽しむシンプルな料理。日本の「ラーメン」のように洗練されたスープと工夫を凝らした麺に様々な具材が乗って、それだけで身も心も満たされるような料理ではないのです。あの、まるで小宇宙のような贅を尽くした逸品は日本人が独自にアレンジして作り上げたものなのです。

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 日本人の「海外から輸入されたものを独自のアレンジで磨き上げる」という能力は、私たちが思う以上に優れた能力です。これまでは自動車や機械、そしてチェーン店の運営に活用されて来ました。今後は生成AIや量子コンピュータの分野でそれが活かされることを期待しています。


 今回はゴンチャとスタバの例から日本の強みについて考えました。ではまた!

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