株式のテーマは減っている!?

 こんばんは、ヤギ仙人です。皆さんは「株式のテーマ」という言葉をご存じでしょうか? 株式のテーマとは、「特定の話題やトレンドで株式の銘柄をまとまりとして考える分類方法のこと」です。最近の市場の動きを見ていると、しっかり機能しているテーマが少なくなって来ているように見受けられます。今回はそれについて考えたいと思います。

株式市場には様々なテーマがある

 株式市場には様々なテーマがあります。資産形成のための情報メディア「みんかぶ」にも「株のテーマ」というページがあり、以下のような独自に集計された株式のテーマのランキングが出されています。

 これをご覧いただければ、テーマがどんなものか概ねおわかりいただけるかと思います。株式をテーマにまとめるメリットは、政策や環境の変化があった場合に同じテーマの株式は同方向に動くので売買しやすい、ということが挙げられます。

 冒頭に申し上げた「機能しているテーマが少なくなって来た」というのは、言い方を変えると一部の有力なテーマの影響力が拡大し、その他のテーマの影が薄くなってきた、ということです。一部の有力なテーマとは、「半導体」「人工知能(生成AI)」「データセンター」ということになります。これは一体どうしてなのでしょうか?

なぜ株式のテーマは減少しているのか?

 その理由については概ね以下の2つの理由が考えられます。

① より高いリターンを求める資本の特性

 以前、「株式市場の拡大は加速する」の回でも説明しましたが、資本はよりリターンの高い投資対象に集中します。現在はそれが「マグニフィセント・セブン」の7社に当たります。

 マグニフィセント・セブンとは、GAFAMにテスラとエヌビディアを加えた7社の総称です。今やこの7社だけでS&P500の約3割を占めるほどです。資本が好調な銘柄に集中することにより、株式のテーマが減少したというのが第1の理由です。

② 現在IT革命は踊り場にあること

 第2の理由は、現在IT革命が踊り場にあることです。IT革命は普通に考えると以下の2つの段階を経て成立していくと考えられます。

  • 第1段階  これまで行われてきたことがITに置き換わる段階(例:紙→ディスプレイ)
  • 第2段階  ITの導入により新しいプロセスや産業が生まれる段階(例:生成AI)

 第1段階は、これまで紙で配られていた資料がディスプレイに、電話や手紙で行われていた連絡が電子メールやチャットへと置き換わる段階です。この段階は生産性の向上はあっても、それほど付加価値は生じません。それが第2段階になると導入されたITの環境下、新しいプロセスや産業が生まれてきます。生成AIはまさにその先駆けであると考えられます。

 現在は第1段階から第2段階に移行する踊り場であり、先行して登場した「生成AI関連」に市場の注目が集中し、その結果他のテーマの影が薄くなってしまったという説です。

私たち投資家はどう対応すべきか?

 では、私たち投資家はこのような状況にどう対応したら良いのでしょうか? 概ね以下の2つの対応が可能ではないかと思います。

支配的なテーマには乗ってみる

 1つは、支配的なテーマには乗ってみる、というものです。但し、生成AI関連の株価は現在かなりの高値をつけていますので、①振り向ける投資資金の上限を決める②株価が一時的に下がったタイミングで買う、というような工夫が必要です。決して1つのテーマに全資金をつぎ込むような愚は犯さないのが賢明です。

次に出現するテーマを想定する

 もう1つは、次に出現するテーマを想定する、というものです。要するに「生成AIが導入されることで画期的なイノベーションが生まれる業界はどこか?」ということです。現在の生成AIはコストが高いために、人間の代わりに事務処理業務に導入しても労働生産性はそれほど上がりません。しかし、製品の開発に複雑で気の遠くなるようなプロセスが必要な業種に導入すれば、画期的な製品を驚異的なスピードで産み出す可能性があります。筆者はヘルスケア業界が生成AIの恩恵を受けるのではないかと想像しています。

 今回は株式のテーマの現状について考えました。IT革命はこれから第2段階に入るところですので、皆さんも次はどんなテーマが新たに登場するのか考えてみて下さい。ではまた!

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