人は自分に似た株を買う

 こんばんは、ヤギ仙人です。アクティブ運用において、自分がどんな株を好むのかを知ることは大変重要です。なぜなら、人にはそれぞれ「好み=選好性」があり、放っておくと似たような株ばかりを買ってしまうからです。今回はそんな選好性の中でも極めて根強い「人は自分に似た株を買いやすい」ということについて考えていきます。

人間は自分に似たものを好む

 あなたは、所属する会社の採用面接で自分と同じ大学の候補者に高い評価をつけたことはありませんか? あるいは、自分と同じ都道府県出身の部下をかわいがったことは? これと同じことが投資対象の企業を選ぶ場合にも起こります。例えば以下のような。

こんな傾向ありませんか?
  • 積極的なタイプの人 →  積極的で成長性の高い企業を選びがち
  • 慎重なタイプの人  →  施策が慎重な名門企業を選びがち
  • 年齢的に若い人   →  歴史の浅い新興企業を選びがち
  • 高齢層の人     →  歴史のある老舗企業を選びがち

 何やら思い当たる人もいるのではないかと思います。実はこれ、無意識に偏ったものの見方をしてしまうアンコンシャス・バイアスの1つで「類似性バイアス」と言います。

類似性バイアスとは

自分と似たような人や物を好み、安心感を得る傾向のこと。

 私たちは気づかないうちにこのような傾向に陥り、特定の傾向の株ばかりを買ってしまう可能性があります。しかし、この傾向、決して悪いことばかりではありません。

メリット・デメリットと注意点

 投資において、この類似性バイアスには以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

  • 考え方が合うのでしっくり来る
  • 年齢と共に好みが変わればリスク許容度とマッチする

デメリット

  • 選ぶ株が投資戦略と合わない恐れ
  • 年を取っても積極的だとリスク許容度を越えてしまう

 メリットはわかりやすいですね。元々の自分の考え方に合う株を買うことは気持ちがしっくり来ます。年齢と共に保守的になって行けば、年と共に小さくなるリスク許容度にもマッチします。逆にデメリットとしては、高配当株投資をしたいのに成長性が高く配当の少ない株を買ってしまう投資戦略との不整合や年を取っても成長性重視の小型株ばかり買ってしまい、自分のリスク許容度を越えてしまうこと等です。

 このようなデメリットに陥らないためには、どんな点に注意すればいいのでしょうか?

注意すべき点
  • 投資戦略と自分の好みが合致しているかチェックする
  • 好みだけで決めず、各種データで投資目的と合うか確認する

 ごく当たり前のことですね。ただ、市場で株を買う時というのはある種の興奮状態にあります。それが自分の好みに合う株であればなおさらです。その場の勢いで勝ってしまって後で後悔しないためには、その株を買う理由と妥当性を事前によくチェックした上で購入することをおススメします。

 今回は「人は自分に似た株を買う」傾向とそれへの対処について説明しました。これからも投資で陥りやすい傾向についてお伝えします。ではまた!

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