10年後の世界を想像する

 こんばんは、ヤギ仙人です。成長株投資には、将来を見据える力が重要です。そこで今回は「10年後の世界を想像する」というテーマで送りします。なかなか難しい作業ですが、このイメージがつかめると成長株投資だけでなく投資全体の流れがスムースになる貴重な考え方ですので是非実践してみて下さい。

有益だが想像するのは意外と難しい!?

 以前のブログ「成長株投資の基本」の中で「成長株は感性と論理で選べ」の説明として以下のような表をお見せしていました。

 今回はこのような具体的な選定に入る前段階の考え方になります。それが「10年後の世界を想像する」ということ。

 10年後の世界を明確にイメージ出来れば、今どんな株を買うべきかが明確になりますよね。しかし、これが意外に難しいんです。戦略部門の方であれば、会社の仕事で中期経営計画の策定に関わったことがあるかもしれません。実は筆者もやりました。経験した身から言わせていただくと、3年後はある程度察しがつきますが、5年後になるとかなり不透明になり、10年後となると皆目見当がつきません。試しに各企業が10年前に作った中期経営計画を眺めてみると結構とんちんかんなことが書いてあったりします。

 まあ、どんな優秀な人物であってたとしても、生身の人間の未来を予測する能力なんて所詮こんなものだということです。

どの程度の粒度で想像するか?

 では、そんな皆目見当がつかない10年後の世界をどの程度の粒度で想像すればよいのでしょうか? 例えば、筆者はエヌビディアの株を生成AIブームがくる前に購入したのですが、その時のロジックは以下のようなものでした。

エヌビディア株購入のロジック

半導体は10年後もテクノロジーの発展に必要不可欠な存在

           

現在、最先端の半導体を製造しているのはエヌビディアである

           

今後の用途は不明だがエヌビディアの半導体の需要は高まるに違いない

 我ながら実にいい加減です(笑)。でも、この程度の粒度でも考えないよりは全然マシなんです。その上でさらに精度を上げるのであれば、下記のようなPEST分析も考慮に入れると良いでしょう。

 PEST分析とは、自社を取り巻く外部環境が現在もしくは将来的にどのような影響を与えるかを把握・予測するためのフレームワークのこと。「政治」「経済」「社会」「技術」の英語の頭文字を取ってそう名付けられました。この4つの中では、「技術」が特に重要です。というのも、最初の3つが社会科学の対象であるのに対し「技術」は自然科学の対象だからです。当然ながら、後者の方が予測しやすいというのがその理由です。

投資活動全般に必須の思考法

 実はこの「10年後の世界を想像する」という考え方は、投資活動全般に必須の思考法です。不動産投資をするにしても10年後の日本の人口やオフィス環境がどう変化するかは必ず考えるべきですし、金や仮想通貨の取引でも両者の希少性がどのように変化するかはきちんと検討するべきだと思います。

 特に「成長株投資」や「高配当株投資」といった株式投資のアクティブ運用においては、「その企業が10年後も存在するか」はまず最初に考えておくべき事項だと思います。もし環境の変化により、その企業が10年後に存在しない可能性が生じたのなら、即刻売却の検討に入るべきです。

 今回は成長株投資で特に重要な考え方である「10年後の世界を想像する」について説明しました。今後も投資に必須の考え方について取り上げて行きたいと思います。ではまた!

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