こんばんは。ヤギ仙人です。投資のメリットは数々ありますが、今回は隠れた利点についてお話しします。それは「投資をすると無駄遣いしなくなる」というメリットです。投資経験が長い方には賛同していただけると思いますが、投資を始める以前と以後で180度考え方が変わるのが今回の面白いところです。かく言う私も投資を始めてから本当に無駄遣いをしなくなりました。
投資のメリットは様々
まず、投資の代表的なメリットは以下の3つに集約されるのではないかと思います。
①は言わずもがなですね。技術の巧拙によって、必ずしも増やす一方ではないのが悲しい限りですが。②と③は似ているようで違います。②が経済の仕組みを理解するという「システム」の問題なのに対し、③は「意思決定」の問題です。要するに、ただの従業員と投資家では意思決定に際して視点が全く違う、ということです。この「投資家の視点」を身につけるとビジネスに対する考え方がかなり変わりますので別の機会で詳しく説明したいと思います。
そして、これら以外の隠れた利点として今回取り上げるのが「投資をすると無駄遣いしなくなる」というメリットです。一見すると逆説的に感じる方もいるのではないかと思います。というのも、投資を始めるのは資産を増やして生活を豊かにするためという人が多いからです。それが目的なら、「無駄遣い」こそが豊かな生活の象徴であるはずです。でも、そうならないことが多い。
一体なぜなのでしょうか?
なぜ無駄遣いをしなくなるのか?
無駄遣いをしなくなるのには以下の理由が考えられます。
月々の収入から投資資金を確保するためには倹約が必要不可欠です。少ない収入からやりくりするならなおさら厳しい収支管理が必要になります。無駄遣いしている余裕などないというワケです。この理由は非常にわかりやすいですね。
こちらはもう少し根源的な理由です。投資をするということは当然、投資信託や株式等を購入します。その際、投資信託なら商品特性や純資産残高、信託報酬は適正かなど様々なポイントをチェックします。株式にいたっては主力商品や開発・販売体制、貸借対照表や損益計算書、企業のガバナンスの強弱など、これから企業価値を高めていけるのかを厳しい目で確認します。
この様な作業を続けていると、生活必需品1つを買うにしても商品の本質的価値が価格に見合うものかシビアに判断する癖がついてしまいます。これでは、無駄遣いのしようがありません。ある種の職業病のようなものです。
よく「お金持ちは質素な生活をしている人が多い」という話を聞きますが、このような富裕層の傾向も上記の理由が無関係ではないと思います。
論より証拠。お金持ちの実例
実際に、投資家のウォーレン・バフェット氏はアメリカの長者番付「フォーブス400」で4番目に資産が多い大富豪ですが、66年前に3万1,500ドルで買った自宅に今も住み続けています。散髪代は18ドルで、朝食は毎朝同じマクドナルド。しかも3ドル17セント以上の注文はしない、と徹底しています。
アメリカの石油王で投資家でもあったジョン・ロックフェラー。彼は貧しい農夫の家に生まれ、勉学と倹約で巨万の富を築きました。成功してもその生活は質素を極め、酒も煙草もたしなみませんでした。
そのロックフェラーがホテルにチェックインしようとした時なじみのホテルの支配人がこう言いました。
「貴方ほどの方がスタンダードルームですか?息子さんはいつもデラックスルームを利用されていますよ。」ロックフェラーはこう答えたと言います。「私は彼のように富豪の父親がいないからね。」
ロックフェラー財団を設立し、収入の10%を寄付することを信条にしていましたが、寄付金が無駄になることを嫌い、全米から寄せられる寄付の依頼を自ら厳しく審査したということです。
『となりの億り人 サラリーマンでも「資産1億円」』の著者で野村証券出身の経済コラムニスト・大江英樹氏は、これまで数多くの富裕層の顧客に接してきた経験から、金融資産1億円以上の「億り人」の生活スタイルについて、出版記念イベントで以下のように答えています。
「着ているものはユニクロ。たまにラルフローレン。(中略)自動車はトヨタヴィッツとか日産ノート。すごく高級な車に乗っているというわけではないんですね。そして普通のマンション住まい。」「独身時代は生命保険なんかまったく必要がないから、そんなもの入る必要がないというように非常に考え方が合理的なんです。とても合理的で、無駄な支出はしないんです。これは保険だけではありません。億り人に共通しているのは、『なんとなく消費』1をしていないことです。」
今回は「投資をすると無駄遣いしなくなる!?」について検証して行きました。まだまだデータが足りないと思っていますので、この件については引き続き検証していきたいと思います。皆様のご意見をお待ちしております。ではまた!
- 「みんながやっているから自分もやる」という右へならえの消費のこと ↩︎