こんばんは、ヤギ仙人です。このところの米国株は上昇に勢いがあり、このまま回復するように見えます。果たして、米国株の調整は終了しこのまま順調に回復するのか? 各種チャートや指標、海外の投資家の動きから分析しました。
チャートと指数から見ると…
ダウ平均、S&P500、NASDAQ総合のチャートは以下のようになっています。

チャートを見る限り、4月8日(火)の最安値から下値を切り上げているように見えます。トランプ政権が一度打ち出した相互関税について、経済への影響が大きくなり過ぎないように調整に入ったことが好感されたようです。では、その他の指標はどんな方向性を示しているのでしょうか?
<Bloomberg> 「バフェット指数」に買いシグナル点灯、株式相場の反発に余力示唆

「バフェット指数」とは、米企業の時価総額を米国の国内総生産(GDP)で割ったもの。その数値が上のグラフのように180%にまで低下しており、過去の事例に鑑みると重要な「買いシグナル」であるという判断のようです。
ここまで見た限りでは、米国株は順調に回復しているように見えます。その他の要素も検討してみましょう。
経済予測や海外投資家の動きは…
ジェトロとは、「独立行政法人 日本貿易振興機構」のこと。日本の貿易・投資を促進し、主に開発途上国に関する研究を目的とした機関です。今回の試算は、4月2日にトランプ米政権が発表した相互関税政策が世界経済に与える影響を算出したものですが、面白いのは相互関税から最も大きな負の影響を被るのは米国自身である(GDP5.2%減)というところです。
米国が強硬姿勢を崩さない場合、自国の経済がしっぺ返しを食うという皮肉な結果になります。
<日経新聞> 米国株、海外勢が保有圧縮 3月以降9兆円(5月2日)
記事によると、海外投資家による米国株の3月以降の累計売越額が推計で630億ドル(約9兆円)に達した模様とのこと。理由は、直接的な関税の影響に加えて関税を巡る不確実性が嫌気されたため。機関投資家の中には米国資産への配分減を検討する所も出てきているようです。
以上を総合すると、今後の米国株の動きは以下の方向性が予測できます。
① 株価は一本調子の回復とは行かない可能性が高い
② 以前の株価を回復するかどうかはトランプ政権の今後の対応次第
個人的には、株価は近々小幅な調整に入ると読んでいます。但し、そこは絶好の買い場にもなるワケですが…。米国株の動きは面白いので、また機会があれば取り上げたいと思います。ではまた!