こんばんは。ヤギ仙人です。今回は、2024年1月に新NISAがスタートして半年、現在どのような状況なのかを解説します。特に20~30代、投資の初級・中級者に向けて、投資の基本的な考え方を交えて優しく解説しようと思いますので、上級者の方は基本動作の確認だと思ってお読み下さい。
証券会社はどこが正解か?
これについてはあまり客観的なデータがありませんので、比較的客観的でありそうな「価格.com」の「証券口座人気ランキング」を見てみましょう。
やはりSBI証券と楽天証券が上位に食い込んで来ますね。証券口座数で見ても、SBI証券1,169万、楽天証券1,020万口座で業界1位・2位となっています。20~30代が新たに証券口座を開設する際に、この2社が双璧であるのは間違いない所だと思います。
ただ、上のランキングで気になるのは口コミのポイントで楽天証券の方が上回っていること。口コミの内容を読むと、サイトの使い勝手でSBI証券にやや難ありという意見が多いようです。筆者も両方の口座を持っていますが楽天証券の方がサイトの表記が感覚的にわかりやすいと感じています。
あとはもう迷ったらポイントで決めて下さい(笑)。SBI証券がTポイント改めVポイント、楽天証券が楽天ポイントですので、自分が主に使っているポイントがどちらかで決めれば良いかと。
投資信託 買付金額ランキング
では、その表記が感覚的にわかりやすい楽天証券の2024年6月10日から6月14日までの期間のNISA口座での投資信託買付金額ランキングを見てみましょう。
内訳は、米国株6、全世界株2、インド株2というなかなか攻めた内容でした(笑)。新NISAのスタートから半年たっているので、方向性はこの方向でだいぶ固まってきていると思われます。ここでは、個別の投資信託について「良い・悪い」の評価はしません。筆者が言いたいのはただ一つ、インデックス投資をするなら30年の長期スパンで取り組むべし、ということです。
30年の長期スパンで取り組むとは?
それでは、「30年の長期スパンで取り組む」とはどういうことかを説明します。以下のグラフをご覧下さい。
このグラフは直近30年の市場や指数の年平均リターンをまとめたものです(2024年6月現在)。長期に渡る日本株の不振、NASDAQを中心にしたアメリカの新興IT企業の隆盛が一目瞭然ですね。問題はその隆盛が30年続くかどうかです。例えば、その新興IT企業をくくる言葉も2010年代以降、GAFA → GAFAM → FANG → FANG+ と目まぐるしく変わっています。ランキングで7位に入っている「iFreeNEXT FANG+インデックス」などは、短期のリターンは目を瞠るものがありますが長期で考えると管理費用(0.7755%)の高さも相まってリスクの高い商品だと思います。
次にこちらのグラフをご覧下さい。
これはクレディ・スイスが数年に一度発表する「Global Investment Returns Yearbook2023」に収められた世界各国の株式時価総額比率の推移を1899年から2023年までグラフにしたものです。これを見る限り、米国株の天下を脅かす存在は一朝一夕には現れないことが理解できるかと思います。最近話題のインド株のシェアは2023年時点で1.8%ですので、これからさらにシェアを上げていくことは予想できますが、米国に対抗する市場になるにはもう少し時間がかかると見るのが妥当な考えです。
つまり「30年の長期スパンで取り組む」とは、上記のような「最低でも30年単位の長期的視点で物事を判断する」ということです。その上で自分がベストだと思う指数を反映したインデックスファンドともう一段リターンが高く市場の異なるインデックスファンドを選択しましょう。例えて言うと、全世界株を選択した場合には先進国株式を、先進国株式を選択した場合はS&P500をといった具合です。こうすることで、より高いリターンを狙うことが出来ますし、市場を変えることがリスク分散になります。
成長投資枠は放っておいて問題なし
最後に新NISAの仕組みをおさらいして、陥りやすい間違いを指摘して終わりにしましょう。
新NISAは、年間でつみたて投資枠120万、成長投資枠240万の計360万が上限になっています。この上限を目一杯使わないと損だと思う人がいますが上限はあくまで上限。自分のペースを守りましょう。大きな目標を計画的に目指すのでなければ、成長投資枠なんて放っておけばよいと思います。
新聞等で成長投資枠での高配当株投資が盛んだという報道を読みました。確かに株価の上昇も配当も非課税になりますので魅力的に思えます。しかし、個別株への投資はリスクが高く難しいものです。20~30代の投資の初級・中級者であれば、まずはつみたて投資枠のインデックスファンドで資産を増やしましょう。個別株投資は資産と知識が増えてからで十分です。
今回はスタートから半年たった新NISAの状況を解説し、重視すべきポイントをお伝えしました。新NISAについては皆さん関心がおありでしょうから、今後も機会があれば取り上げようと思います。
興味がありましたらお立ち寄り下さい。ではまた!
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