こんばんは、ヤギ仙人です🐐。最近の生成AIは性能がかなり上がりました。その割に「AIを活用して投資で圧倒的に儲けた」という人の話を聞きません。いったい何故なのでしょうか?その理由を探りました。
ここ数年で生成AIの性能は飛躍的に上昇
ここ数年で生成AIの性能はかなり上がりました。2022年にChatGPTがリリースされた当初は、おススメの飲食店や推奨する株式を聞くと存在しないお店や企業の情報が入り込んでいました。いわゆるハルシネーション(幻覚)と言われるものですね。今やハルシネーションが相当減少しただけでなく、推論の精度とスピードも向上して簡単なタスクであれば自律的に完結できるまでになりました。
でも、それによって株式投資で「圧倒的に儲けた」という人は寡聞にして存じ上げません。いったい何故なのか?そのヒントは以下の日経新聞の記事にありそうです。
<日経> 危ういAIの株取引 「合理的」に同じ行動、相場急変リスクにFRB警鐘(5月28日)

米大学の調査によると、複数のAIに同じ情報を与えて市場で自由に売買させると、取引を繰り返す内に同じような行動をとるようになったそうです。AIの性能が上がって正しい推論を重ねると同じ結論にたどり着くためで、「株式市場での急騰や暴落など一方向の動きを強める可能性がある」とFRBが警告しています。
同じことはコンピュータが登場し、株取引に活用され始めた時にも起きています。近年、株式市場の暴落時の下げ幅が大きいのはコンピュータによる自動取引で機関投資家が一斉に売り注文を出すため。前出の記事はその傾向にさらに拍車がかかるのではないかと言っているのです。
生成AI自体が投資の利益につながらない理由
確かにコンピュータも生成AIも「人間の能力を伸長させる」という点においては素晴らしいイノベーションです。特に生成AIに関しては、それまで著名な投資家の専売特許であった有望な株を選ぶ調査・分析という能力を一般の投資家が手に入れられるのではないかと期待もされています。「あなたもフィリップ・フィッシャーやウォーレン・バフェットになれるかも」というワケです。しかし、以下の2つの理由でそれが難しいことが推察できます。
❶ 皆が強力な武器を持ったら優位性は消滅する
1つ目の理由は「皆が強力な武器を持ったら優位性は消滅する」ということです。

例えば、一部の人間だけが強力な武器を入手した状態を考えてみて下さい。彼らはそれによって優位性を築き、他を圧倒することが出来ます。これは、古代オリエントのヒッタイト族が他に先駆けて製鉄技術を確立し、鉄製の武器や戦車によって強大な帝国を築いたことからも明らかです。

しかし、その「強力な武器」が世間に行き渡ってしまったらどうでしょうか?優位性は消滅し、誰かが1人だけ得をすることは不可能になります。例えば、核兵器は当初アメリカとソ連という大国のみが保有する兵器でしたが、今や全世界で9か国が保有するように。そうなると米ソの二極化の構造も徐々に薄らいでしまうのです。
現在は高性能な生成AIも広く一般で使用できる状況になっています。このような環境で誰か1人が投資で圧倒的に儲けるという状態は考えにくいのです。
ツールの性能が上がっても変わらない世界とは?
また、次の点も私たちが生成AIで著名な投資家に近づけない重要な論点です。
❷ 著名な投資家の方針は通常オープンにされない
フィッシャーやバフェットの強みは、彼らが「この銘柄を買う」と判断したことはその段階ではごく一部の人間にしか知られていないことです。この1点が「著名な投資家」と「生成AIで著名な投資家に近づこうとする者」の決定的な違いです。生成AIはあなたの思考を増幅させ、情報処理能力を上げてくれますが、その能力は同じ問いを発するすべての人に開かれているのです。ただ、この部分からAI万能時代に私たち個人投資家がどんな能力を研ぎ澄ますべきかが見えてきます。
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結論から言うと、その能力とは独自の「視点」や「気づき」です。

生成AIで株式をスクリーニングする場合、そのためのプロンプト(AIへの質問や指示)は当然あなた自身が入れます。つまり、そのプロンプトが独自の「視点」や「気づき」に溢れていれば、他者には見つけられなかった有望な銘柄を発見できる可能性があるのです。そのオリジナリティこそが、今後の株式投資の勝者と敗者を分ける鍵となります🔑。要するに、AI万能時代に鍛えるべきは結局は「自分の頭」だということです。
株式投資でどの株が上がるかを予測することは、無数に存在する商品の中から何がヒットするかを当てることと同じです。それはいくら生成AIが正しい推論を重ねても、正解を導き出すことは難しい複雑な世界です。最終的には、人間の経験と感覚が物をいうのです。
今回はAIの性能が上がってもなぜ圧倒的に儲けている人がいないかの理由について考えました。ではまた!
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