こんばんは、ヤギ仙人です🐐。会社を定年退職したり、FIREした後は田舎でのんびり暮らしたい。漠然とそんな希望を持つ方も多いと思います。しかしコレ、意外と上手くいかないんです。なぜ上手くいかないのか?その理由を探りました。
「夢の地方移住」は文字通り”夢”と消えた
最近、こんな興味深いWeb記事を読みました。
<THE GOLD ONLINE>「軽井沢移住、大失敗でした」〈退職金1,500万円〉〈年金280万円〉67歳夫婦の反省会。移住10ヶ月後、息子夫婦も巻き込む老後の大事件となったワケ(8月22日)

65歳まで再雇用で働いたご主人と奥様の二人が、67歳を機に持ち家を売って夢だった地方移住を実現します。移住先は避暑地として有名な軽井沢。最初はオシャレなカフェに通ったりとリゾート生活を楽しんでいましたが、徐々に明らかになる意外な生活費の高さと煩わしい人間関係。結局、夢のセカンドライフは10か月で終わりを告げ、都心の賃貸マンションに戻っていく、というお話です。
この記事を読んでの率直な感想は「まあ、そうだろうな」というものでした。
決して馬鹿にしているワケではありません。ただ、筆者は仕事柄 朝の情報番組や映画のロケで日本で行ったことのない都道府県は3つだけというように地方によく行っていました。50代では金沢市への2年半の赴任も経験しています。地方移住が夢を見るほど素晴らしいものではないことを知ってしまっているのです。
その経験から、僭越ながら今回の地方移住が上手くいかなかった理由を掘り下げてみたいと思います。
地方移住が上手くいかない現実的な理由
今回のケースのような定年後の地方移住が上手くいかない理由は、主に以下の3つが原因ではないかと思います。
❶ 地方での生活には自動車は必須である
まず、地方での生活には自動車が必須であることです。それを考えずに移住してしまうと車を新たに購入しなければなりません。場合によっては1台では足りず、家族の人数分の台数が必要になります。また、地方の道路は狭い道が多いため大型のセダンやSUVでは却って不便になります。軽自動車に買い替えたりすると、その分も新たな出費となってしまいます。
❷ 生活基盤を変えると余計な出費がかかる
東京と地方では生活スタイルが違うので、生活基盤が変わると余計な出費がかかります。そして、住居費以外の生活費は東京と比べてそれほど安くありません。例えば、ガソリンの価格。製油所が太平洋側の臨海部(千葉、神奈川、三重など)にあるため、そこから離れるほど輸送コストがかかり1L当たり5〜10円程度高くなります。このような出費が徐々に老後資金にダメージを与えていきます。
❸ 地方は意外と人間関係が複雑である
地方は意外と人間関係が複雑です。東京の互いに干渉しない冷たい人間関係を嫌って地方に移住すると思わぬしっぺ返しを喰らうことになります。まず、基本的に田舎は閉鎖的で余所者には冷たい。金沢でも赴任初日に地元出身の会長から「金沢は旅人には優しいが住むには厳しいよ」と助言されました。その上、記事にもあったような移住者同士のマウントの取り合いもあります。何か月かすると東京の不干渉主義が懐かしくなります。
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もちろん、場所によっては移住者を分け隔てなく迎えてくれる所もあります。でも、それを事前に確認するのは大変難しい。上記の現実的な問題を跳ね返す覚悟で移住に臨めば対応できなくもありませんが、大抵は問題がボディブローのように効いてきて、半年もすると「こんなはずじゃなかった•••」と嘆くことになるのです。
地方移住をスムーズにする2つのポイント
地方移住を検討する際に気をつけなければならないのが、”自分がユートピア思想に陥っていないか?”ということです。東京での生活に疲れ果て、「ここではないどこか」に行けばすべて上手くいくに違いない、という安易な考え方です。現在の生活は自分のこれまでの行いの結果ですから、場所を変えれば万事が上手く回るなんてことはありません。「ここではないどこか」は存在しないのです。

そして、東京が便利すぎることも地方移住のハードルを上げています。これだけ食べ物が美味しくて、交通網が高度に発達し、上質なエンターテインメントが集まる都市は世界に類を見ません。外国人観光客がまた来たくなるのも納得です。東京での生活に慣れてしまった人間は、田舎に引っ込んでもどこかで退屈に耐えられなくなります。
それでも地方に移住したいという場合には、以下の2点を心掛けると上手くいく確率が高くなります。
◆ 夫婦どちらかの出身地を移住先にする
田舎の不便さを受け入れられるタイプの人向きの対策です。地方移住で必要になるのは、ひと言でいうと「土地勘」です。ある程度どこに何があるかがわかり、知り合いがいて、何をすれば嫌われるかがつかめている。どちらかの出身地であれば実家が空き家になっている可能性もあります。こういう「地の利」を得られれば、移住も上手くいく可能性が高まります。
◆ 人口50万人以上を移住先の基準にする
田舎の不便さを受け入れられないタイプの人向きです。都市の人口が50万人を越えると快適に生活しやすくなります。例えば、交通網の整備やデパートの有無、公共サービスの充実度などです。著名なアーチストのコンサートも50万人未満の都市にはあまり回って来ません。東京の生活に慣れた人間がある程度納得できる文化的基準が人口50万人と考えるとわかりやすいです。ちなみに関東以外で人口50万人を越えるレベルの都市は以下になります。
| 浜松市(静岡県) | 約77万人 | 静岡市(静岡県) | 約66万人 |
| 新潟市(新潟県) | 約75万人 | 鹿児島市(鹿児島県) | 約59万人 |
| 熊本市(熊本県) | 約73万人 | 姫路市(兵庫県) | 約52万人 |
| 岡山市(岡山県) | 約71万人 | 松山市(愛媛県) | 約50万人 |
当然、札幌、名古屋、大阪、福岡などの人口100万人を越える都市はより快適ですが、そうなると東京に居るのと何が違うの?ということになります。地方らしさを満喫しながら快適に生活できるのが、この人口50万人〜80万人の都市だといういうことです。
今回は定年後の田舎暮らしがなぜ上手くいかないのかを考えました。ではまた!
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