FIRE後は「お金の使い方の質」が問われる

 こんばんは、ヤギ仙人です🐐。昨年6月にFIREして1年が経ちましたが、1年経って気づいたことがあります。それはFIRE後は「お金の使い方の質」が問われるということ。一体どういうことなのか?その意味について説明します。

社会との関わりと「お金の使い方」の関係

 今年6月29日のブログ「老後資金の隠れたもう1つの問題について」で、老後資金には「足りるのか?」という問題に加えて「使い切れるのか?」という問題があることに触れました。その際にFIRE後や定年後にどうお金を使うのかについて考える機会がありました。

 その時は具体的な使い方をいくつか例示するにとどめたのですが、どうもこれはこれで1つのテーマになるような大きな問題であるということに気がつきました。FIRE以前とFIRE以後で”お金の使い方の意味”が違ってくるのです。それはやはり「仕事をしているかどうか」という部分に深く関わっています。

FIRE前後で異なる社会との関わり方

・FIRE以前 → 仕事をしていることで何らかの社会貢献が成立している

・FIRE以後 → 仕事をしていないので社会への貢献が不明瞭になる

 どんな仕事であれ継続している以上は社会から必要とされているのであり、そこに何らかの社会貢献が成り立っています。従業員は給与という経済的な要素以外に、その事業が社会にもたらす成果について誇りやプライドを感じて働くモチベーションにしている場合が多いのです。

 仕事をしている間は社会での役割を果たせている自負があるので、給与については趣味や推し活といった純粋な自分の楽しみのために使うことが多いように感じます。しかし、仕事を辞めると「お金を稼ぐこと」では社会での役割を果たせなくなります。そうなると自ずと「お金を使うこと」によってどのように社会と関わって行くのかが問われるようになるのです。

FIRE以後に必要な「お金の使い方」とは?

 このFIRE後に必要になる「お金の使い方」をわかりやすく図にすると以下のようになります。

 FIRE後は自分が楽しむために使うお金とは別に、FIRE後の生活を成立させるためのお金の使い方があるのです。それは*「マズローの欲求5段階説」のように、低次のお金の使い方から高次のお金の使い方へと、段階を踏んで成り立っているように思います。以下、低次の使い方から順番に説明します。

健康の維持

 FIRE後の生活も心身の「健康」なくしては成り立ちません。FIRE後は会社から検診を強制されなくなるため、主体的な健康管理を行わなければなりません。ジムやパーソナルトレーニング、健康診断や人間ドック、質の高い睡眠や食事など、健康を維持するための投資を行う必要があります。

居場所の確保

 会社を辞めると社会的なアイデンティティー(居場所や肩書き)を喪失します。FIRE後は新たな居場所を確保するための投資が必要になります。資格取得や新たなスキル習得の勉強会、地域活動やボランティアなど、自分が何者であるかを確認できる場所を確保するためのお金は惜しみなく使いましょう。

他者との関係構築

 居場所の確保に加えて、人的ネットワークの構築も欠かせません。過去の人脈やFIRE後に出会った人の中から、仕事の損得抜きで付き合える人たちをピックアップして関係を構築しましょう。同じ年齢層ばかりにならない方が望ましいです。食事やゴルフなど定期的に会う機会を設け、そのための費用を惜しまないようにしましょう。

応援としての消費

 単にモノやサービスを受け取る消費から、”このお店や企業、活動を存続させたい”という「応援としての消費」にお金の使い方を進化させましょう。大げさに言うと、お金を社会を変えるためのエネルギーとして使うということです。難しく聞こえますが、これは皆さんが普段行なっている「推し活」の本質でもあるのです。

次世代への支援

 最も高次なお金の使い方は「次世代への支援」、つまり自分のためでなく他人のためにお金を使うことです。寄付や相続が頭に浮かびますが、身近なところでは”人にご飯をご馳走すること”もこれに該当します。あまりもったいぶらずに「自分の周り」「生前に出来ること」をキーワードに実行して行きましょう。

*「マズローの欲求5段階説」•••アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱した心理学理論。人間の欲求は「生理的」「安全」「社会的」「承認」「自己実現」の5つの階層に分かれており、低次の欲求が満たされるとより高次の欲求を求めるようになるとしている

自分の楽しみのためにお金を使うのも良いが•••

 もちろん、そんなことを気にしないで自分の楽しみのためだけにお金を使うことも可能です。お金の使い方をあまり目的論的に捉えると窮屈になるので、ある程度は自分の好きなことに使えばいいと筆者も思います。でも、好きな食べ物を食べ、好きな物を買い、好きなゲームに好きなだけ課金する。人はそれだけで幸せに感じるものでしょうか?

 フランスの啓蒙思想家ヴォルテールは、「人間は、自分が今いる場所よりも、少しだけ高い場所へ行こうとせずにはいられない生き物だ。」と述べました。人間の本質をよく表している言葉です。そして、人生にささやかな目標があるとすれば、それは死ぬ時に「充実した人生だったな」と思えることではないかと思います。

 折角、仕事をしないで生活していけるだけの資産を確保したのであれば、上記の「FIRE後に必要なお金の使い方」を頭の片隅に置いておくだけで、多少はマシな人生が送れるように思うのですがいかがでしょうか•••。


 今回は、FIRE後は「お金の使い方の質」が問われるというお話でした。ではまた!

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