老後資金の隠れたもう1つの問題について

 こんばんは、ヤギ仙人です🐐。実は老後資金には問題が2つあります。ところが、皆さん1つ目の問題に四苦八苦して、もう1つの問題にたどり着かないのです。その問題とは何か?どうすれば解決できるのか?考えてみました。

老後資金を使い切るのは案外難しい

 その問題とはズバリ、老後資金を「使い切れるのか?」というものです。

 先日、実物資産投資の勉強会を主催する内藤忍さんと話していたら、「自分は資産を使い切って死のうと思っています」と仰っていました。内藤さんはお子さんがいないので自然にこういう発想になったのだと思います。確かに、子供がいない夫婦も増えていますので、この問題もそろそろ避けては通れないテーマになってきました。

 最初に老後資金には2つの問題があると言っていたのは、1つは「足りるのか?」という問題で、もう1つが「使い切れるのか?」という問題だということです。この2つの問題の難しいところは、1つ目の問題をクリアしないともう1つの問題に直面しないので、2つ目の問題がおろそかにされている点です。

 日本経済新聞の最高裁への取材によると、法定相続人がいないために本人の死後 国庫に入る遺産が2023年度に初めて1000億円を超えたそうです。ここ10年で3倍に増えており、今後も増える可能性が高いということです。

 人間は想像力を持つがゆえに不安が先立つ生き物です。十分な資産を持っていてもそれを使うことに恐怖を感じ、死ぬまで倹約して死後莫大な遺産だけが残るという事例が後を絶たないのです。

この問題の先駆けはブームになったあの本

 この「老後資金を使い切る」ということについて先駆的な見解を示したのが以下の本です。

DIE WITH ZERO

人生が豊かになりすぎる究極のルール(ダイヤモンド社)

 ビル・パーキンス  1,980円

 この本の主旨は「死ぬまでにただお金を貯めるのではなく、人生の幸福度を最大化するために計画的にお金を使おう」というものですが、お金の使い方としては以下の5つの方向性を示しています。

この本が薦める「5つのお金の使い方」
  • 「モノ」ではなく「経験」にお金を使う
  • 「記憶の配当」を生み出すものに投資する
  • 「健康」と「十分な体力」があるうちに使う
  • 子供や慈善団体への寄付は「死ぬ前」に行う
  • 自分の「時間の節約」にお金を使う

 いま見てもとても納得感のある主張だと思います。世の中のお金持ちがこの考え方に則ってお金を使えば、世界の経済はもっと回るに違いありません。ちなみに「記憶の配当」とは、素晴らしい経験に投資することにより、その後の人生でその経験を振り返った時に得られる精神的な豊かさのことだそうです。

 とはいえ、この本の目的は貯まる一方の老後資金をなるべく使うように仕向けること。定性的な説明はあっても、「どれくらい使うか?」という定量的な説明は一切されていません。恐らく、使い方については各家庭ごとに固有の事情があることを考慮した結果だと思いますが、これでは老後資金が貯まりすぎる問題は解決には至りません。

老後資金を使い切るための大まかな方針

 そこで、ごく大まかな方針ですが 老後資金を使い切るための方策を提示したいと思います。最初に言っておきますが、自分の寿命に合わせて”ピッタリ使い切る”なんてのは土台無理な話です。1つの参考としてお聞き下さい。

インデックス投資の取り崩しで生活している場合

 インデックス投資の「4%取り崩し」等を生活費にしている場合の対処法です。高い確率で取り崩した後も資産が増えていると思います。その場合は増加分の半分をボーナスとして使いましょう。もし資産が減っていた場合は無理に使う必要はありません。

高配当株投資の配当・分配金で生活している場合

 高配当株投資の配当・分配金を生活費に充てている場合でも、高配当株自体のキャピタルゲインが発生することがあります。その場合はキャピタルゲインの半分をボーナスとして使いましょう。こちらもキャピタルゲインが発生しなかった場合は無理に使う必要はありません。


 実はどちらも資産が増えないだけで減りもしないことは考えればわかると思います。そうであったとしても、使わずに増える一方よりは有意義な資産の活用法です。それでも使う踏ん切りがつかないという場合には、具体的な使い方を決めてしまうのも一計です。

経験・体験プレゼント贈与・福祉
・海外旅行に毎年行く・毎年家族にプレゼントをする・少額ずつ生前贈与する
・決まった金額を趣味に使う・乗用車を買い替える・慈善団体に寄付する
・高級スポーツクラブに入る・高級時計を買ってみる
・眠りの質を高める投資をする・最高級の日用品を買う

 先述の「DIE WITH ZERO」では、物を買うことをあまりおススメしていませんが私たち一般人にとってはまだまだ心躍る体験であることに変わりはありません。このように意識して老後資金を使うことで、使い切ることは出来ないにしても、生きている間のQOL(Quality Of Life)を上げることが出来るのではないかと思います。


 今回は「老後資金を使い切れるのか?」という問題を扱いました。ではまた!

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