投資に取り組むべき理由とは?

 こんばんは、ヤギ仙人です。株価が乱高下して評価損が出たりすると、自分がなぜ投資を始めたのかわからなくなる時があります。特に「新NISAがスタートするから」など、なんとなくの理由で始めた人はその傾向が強いと思います。そこで今回は、「なぜ現代人は投資に取り組むべきなのか」の根本的な理由について考えてみたいと思います。

お金を働かせることが出来るから

 皆さんが投資を始めた最大の理由が「経済的な理由」であるのは、ほぼ間違いないと思います。では、「お金が増える」と思った根拠はどこにあるのでしょうか? 実はその根拠は以下の不等式が説明してくれます。

「r>g」という不等式の意味

 この不等式、「r大なりg(あーるだいなりじー)」と読みます。

 フランスの経済学者トマ・ピケティ氏が、彼の著書「21世紀の資本論」の中で指摘した世界的な傾向で、「r」は資本収益率、「g」は経済成長率を表します。ピケティさんが18世紀まで遡って調べたところ、「r」の資本収益率が年率5%程度であるのに対し、「g」の経済成長率は1~2%しかなったというのです。

 これがどういうことか、もう少しわかりやすく説明します。「r」の資本収益率はお金を資産に投資した時の収益ですから、「投資のリターン」のことです。それに対する「g」は経済成長率=「給与の伸び率」と捉えられます。

 つまり「資産を持つ裕福な人はそれをうまく活用してより裕福になるが、会社の給料しか収入がない人はいつまでも裕福になれない」ということです。まったく身もフタもありませんね(笑)。ピケティさんは経済学者として、この不均衡を少しでも減らすために大所高所から提言をしていますが、私達の選択は一択です。それは、「会社の給料だけに頼るのではなく、投資をすることでお金にも働いてもらう」ということです。

副収入で可処分所得が増える

 そんな難しい話はさておき(笑)、投資してお金が増えれば嬉しいですよね。美味しい物を食べられるし、良い服を着たり、良い車に乗ることも出来ます。また、そのお金を資格を取るための学校の授業料に振り向けるなど自己投資に使うことも可能です。このように、副収入によって可処分所得が増えると生活は豊かになります。これも投資に取り組む立派な理由です。

将来の選択肢が増える

 そして、生活する上で最も大きなメリットは「将来の選択肢が増えること」です。

 例えば、現在60歳定年制の会社に勤めているのであれば、定年以降も同じ会社で働くとすると、それまでよりかなり低い年俸を提示されます。今までと同じ仕事を今までよりも低い賃金でやらされることに、人間は抵抗を感じるものです。そんな時、投資による副収入があれば、やりがいを重視して年俸は同程度以下でも社会に貢献できるNPO法人の仕事を選ぶことも可能です。

 さらに、毎年の投資のリターンが給与と同程度になれば「FIRE(経済的自立と早期の退職)」も夢ではありません。この様に、投資に取り組むことは将来の選択肢を増やしてくれるのです。

経済の動きに敏感になるから

 純粋にお金が増えるというメリット以外にも投資に取り組むべき理由があります。それは「経済の動きに敏感になるから」です。自分のお金を投資する以上、損はしたくありませんよね? そうなると、当然 経済のニュースにも目を通すようになります。

利益を産み出す仕組みに詳しくなる

 さらに言うと、投資というのは儲かる仕組みを理解しないと恒常的に利益を得られません。投資信託であれば、どんな方針でどんな株をどれくらいの手数料で運用する、であるとか、個別株であれば、その会社の強みは何で競合に対してどんな参入障壁があるのか、等です。それは、つまり「利益を産み出す仕組みに詳しくなる」ということです。

仕事の勘所がわかるようになる

 会社の仕事というのも、誤解を恐れずに言えば「儲けるためにやっていること」です。投資をすることによって、ビジネスの仕組みや他企業の強みを理解することが仕事に活きないはずがありません。また、会社の事業に資金を投入することは金融商品に投資するのと原理は同じですから、いつどれくらいの資金を投入するかの勘所がわかるようになります。こうして仕事で結果を出すことが出来れば、それは当然あなたのサラリーに反映されることになります。

 この様に、投資に取り組むことは直接的にお金を増やしてくれるだけでなく、お金を増やすためのスキルも身につけさせてくれるのです。

投資家の視点が役に立つから

投資家の視点と従業員の視点は異なる

 もう少し根源的な話をすると、「投資家(株主)の視点」と「従業員の視点」はまったく異なります。投資家の視点が「株主=会社の持ち主」の視点であるのに対し、従業員の視点は「会社のコマ」の視点です(従業員を侮辱するつもりはありません。かく言う筆者も一従業員です)。投資家の視点が従業員の視点に比べて、より視座が高く、より客観的で、より自由であるのは疑う余地もありません。

これからは投資家の視点がより重要に

 これまで、会社の考え方というものは生活のためにある程度受け入れなければなりませんでした。しかし、終身雇用が崩壊し転職が一般的になったため、企業と従業員の力関係が逆転し始めています。これからは、給与所得に加えて投資によるリターンを得ることで、まずは経済的な自由度を高めること。その上さらに「投資家の視点」を身につけることで、会社に従属するだけでない様々な生き方を模索する時代になって来ているのではないかと思います。

 以上が投資に取り組むべき3つの大きな理由です。他にも「こんなメリットがある」ということがありましたらご意見下さい。ではまた!

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