こんばんは、ヤギ仙人です。先日、ダウ平均の構成銘柄に先端半導体企業のエヌビディアが採用されて話題になりました。今回は「今さら聞けない」シリーズの第2弾として米国の株価指数を取り上げます。「ダウ平均」「S&P500」「NASDAQ総合」という3つの指数がどんなものなのか再確認することで、投資のリテラシーを上げて行きましょう。
3つの指数の概要
まずは米国を代表する3つの株価指数の概要についてです。
- 30の優良銘柄で構成される米国の代表的な株価指数
- 算出開始は1896年。通称は「ダウ平均」「NYダウ」
- 株式分割などでも指数の連続性が保たれるよう除数を調整する
- 米国の時価総額の大きい主要500社で構成される株価指数
- 1923年に算出が開始されたが、現在の500銘柄になったのは1957年から
- 構成銘柄の時価総額の合計を基準に算出する時価総額加重平均型
- 米国ナスダック市場に上場している全ての銘柄で構成する株価指数
- 算出開始は1971年で算出方式は時価総額加重平均型
- 金融セクター以外の時価総額上位100社で構成するNASDAQ100指数もある
どんな違いがあるのか?
それでは、3つの指数はどんな違いがあるのでしょうか? 野村アセットマネジメント「お金を育てる研究所」のデータが分かりやすいので、それを元に説明しましょう。
ダウ平均がバランスを取って構成銘柄を採用しているのに対し、S&P500とNASDAQ総合は時価総額加重平均であるため、情報技術等その時勢いのある業種が多くなります。これに加えてNASDAQ総合は新興企業が中心になるので、よりその傾向が顕著になります。
また、商品としてはダウ平均をベンチマークにしている投資信託やETFがあまりないため、S&P500かNASDAQ総合のどちらかに関連する商品を選択することになります。では、自らのポートフォリオでどのように活用するのが良いのでしょうか。
それぞれの活用方法は?
3つの指数の過去10年のチャートを見てみましょう。
ダウ平均とS&P500は10年で見るとパフォーマンスはほとんど変わりません。3つの中では、NASDAQ総合が最も優れたパフォーマンスです。但し、上昇幅も大きい分下落する時の幅も大きい、つまりハイリスク・ハイリターンな指数であるということです。これらを考慮した上での正しい戦略は以下のようになるのではないかと思います。
- S&P500をコア、NASDAQ総合をサテライトとして運用する
- 各人のリスク許容度に応じて、サテライトの割合を増やす
例えば、投資家が20代ならサテライトのNASDAQ総合の割合は30%~50%程度で運用しても問題ないかと思います。これが50~60代になると、サテライトの比率は10~20%程度に抑えるべきです。
今回は「今さら聞けない米国株価指数」と題して、米国を代表する3つの指数について説明しました。今後もこのシリーズで投資の基本を押さえて行きたいと思います。ではまた!