NISAの「つみたて投資枠」が進化する!?

 こんばんは、ヤギ仙人です🐐。皆さんのNISA口座はトランプ関税ショックから立ち直って、順調に増えているところでしょうか? 世の中は夏休みですが、国やお役所は夏場にも各種制度の見直しを行なっているようで、何やらNISAにも新たな動きが出てきました。

金融庁が公表した「NISAの効果検証」

 今年6月18日、金融庁から以下の資料が公表されました。

<金融庁> NISAの効果検証(6月18日)

 タイトルは、そのものズバリ「NISAの効果検証」。2024年1月から新しくなったNISA(少額投資非課税制度)がどのようなインパクトを与えたのかを検証した資料です。大まかにまとめるとポイントは以下の2点です。

新NISA開始により口座数、買付額ともに拡大

 新NISAの開始により、NISA口座数は2023年12月から2025年3月末までに約522万口座(25%)増加

 買付額も2023年12月末から2025年3月末までに約24兆円(68%)増加しました。

年収500万円未満の層の口座開設が最も多かった

 アンケートの結果、年収を問わず幅広い層がNISAを利用していることがわかりましたが、「年収500万円未満の層」の利用が67.4%と約7割を占めました。

 「年収500万円未満の層」の口座開設数は、2024年が最も多かったとのことです。

 この「NISAの効果検証」を見る限りでは、政府や金融庁が企図した「個人の金融資産を貯蓄から投資へ振り向ける」という目的が十分果たせているのではないかと思います。

2025年上半期の人気商品は何だったのか?

 では、2025年上半期はNISAではどんな商品が買い付けられたのでしょうか?

 今回の集計がNISA全体であるため、8位以降に個別株が入っていますが、相変わらずインデックスファンドが強いですね。記事では「上位5本に集中」という表現になっていますが、金額だけでは規模感がわかりにくいのでグラフにしました(下図)。

 ブランドでは、eMAXIS Slimの独り勝ちですね。株価指数で見ると、オルカンとS&P500が強いのがよくわかります。

 オルカンとS&P500はSBIや楽天のファンドもありますから、すべて合わせると相当な割合になると思います。株価指数に関してはやや集中しすぎな気がしないでもありません。

「つみたて投資枠」はどう進化するのか?

進化の方向性は?

 上記の効果検証と現状分析を踏まえて、金融庁は「つみたて投資枠」の対象商品の方針を以下の方向で見直すようです。

「つみたて投資枠」対象商品の方針

<現状の方針>

・「マーケット全体を広くカバーしており、既に市場関係者に浸透している指数を基本とする」

<今後の方針>

・「マーケット全体を広くカバーする」

 →特定分野の影響を過度に受けず、長期的な信頼性が見込まれる指数

・「市場関係者に広く浸透している」

 →新規の指数でも、値動きが分かりやすく、継続性が担保されるもの

 これまで「つみたて投資枠」の対象商品は日経平均やS&P500など15種類の株価指数に限定されていましたが、今後はESGや生成AIなどの「テーマ型指数」も加えられる可能性が出てきた、ということのようです。

投資家が気をつける点は?

 選択肢が増えるのは良いことですが、私たち投資家が気をつける点は以下の2点だと思います。

・改訂された方針によって新たに増える対象商品のリスク・リターンをしっかり見極めること

・検討した上で、今まで通りオルカンとS&P500への投資を継続する勇気も必要であること

 「つみたて投資枠」の対象商品の方針の見直しは、金融庁が今年8月末までにまとめる税制改正要望に盛り込まれる予定ということです。ですので、対象商品の改訂はもう少し先になりそうです。


 今回はNISAの「つみたて投資枠」がどう進化するかについてお伝えしました。また進展がありましたらお伝えしたいと思います。ではまた!

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