「合理的経済人」は合理的か?

 こんばんは、ヤギ仙人です🐐。皆さんは「合理的経済人」という言葉をご存知でしょうか? 経済学で用いられる人間像ですが、個人的にはこの考え方は昔から疑問でした。今回はこの「合理的経済人」から、投資で利益を上げるポイントについて考えてみました。

「合理的経済人」とはどんな考え方か?

 「合理的経済人」とは、一体どんな人物なのでしょうか?

合理的経済人とは?

自己の経済的利益を最大化するために、常に合理的に計算し行動する人間像のこと

 「合理的経済人」とは、経済学で経済理論を構築するために使用する単純化された人間像のことです。確かに、強欲な人とそうでもない人が混在する状態を前提にして経済理論を作るのは、考えただけで大変そうですもんね😆。

 こういう合理的で均質な人間像を想定することで、「効率的市場仮説」(金融商品の価格はその商品に関するすべての情報が市場で瞬時に反映されるので、投資家は安く買うことも高く売ることも出来ないとする仮説)のような考え方も成立するワケです。ある種の方便ですね。

 最近は行動経済学や神経経済学といった新たな研究分野から「人間はそれほど合理的ではない」という指摘がなされています。これらの知見は、単純な「合理的経済人」のモデルを補完し、現実に近づけて精緻化する材料として位置付けられているそうです。

実際にそんな人間がいたらどうなるか?

 では、そんな「合理的経済人」が実際にいたら、どんな受け止め方をされるのでしょうか? 実は先日、「合理的経済人」に遭遇しました。

 筆者は先日、自宅付近で車に乗っていて軽い接触事故を起こしました。相手はニート風の若い男性で、状況は時速3〜4km/sで車のドアミラーが腕に接触したという微妙なものでした。警察の現場検証では殊勝な対応をしていた男性ですが、保険会社を入れた途端に態度が変わりました。被害状況をことさら深刻に訴え、少しでも保険金を搾り取ろうと躍起になったのです。

 相手方と保険会社とのやりとりであるため筆者としては黙って見ているしかありませんが、これなどまさに「自己の経済的利益を最大化するために、常に合理的に計算し行動する人間像」と言えるのではないかと思います。

 そういう人間に現実で遭遇した感想は「正直こんな人間ばかりだったら嫌だなぁ」でした。大前提は接触した筆者が悪いのですが、「合理的経済人」は なるべく学問の上だけの存在にしてもらいたいと思いました。

「効率的な市場」のつけ入る隙はどこにある?

市場は100%効率的には成りえない

 では、「合理的経済人」と同じく「効率的」と言われる市場のどこに私たち投資家がつけ入る隙があるのでしょうか? 意外なのは、この「効率的市場仮説」の「市場は果たして効率的か?」というテーマに関する論争は、実は現在も結論が出ていないことです。

 これに対する筆者の見解は「人間が合理的に成りきれないのと同様に、市場も完全に効率的には成りえない」です。どの程度かは明示できませんが、ほんの数%の「情報の歪み」「価格の歪み」が存在し、そこで利益を上げることは可能だと捉えています。そうでなければ、あのウォーレン・バフェットの脅威的なパフォーマンスは説明がつきません。

人間は非合理な要素を内包する存在

 それよりも簡単なのは、「合理的」とは程遠い自分の弱点を修正して利益に結びつけることです。例えば、先日 会社時代の部下から「トランプ関税で米国株が下げた時に、後で上がるとわかっていても怖くて買い増しできなかった」という相談とも愚痴ともつかない話を聞かされました。

 しかし、そのメカニズムは行動経済学が「損失回避バイアス」(人間は「利得の喜び」よりも「損失の苦痛」をより強く感じる心理特性があること)としてすでに解き明かしています。先程の相談への答えは、「怖さを乗り越えて買い増しすれば良い」というだけなのです。

 結局のところ、投資とは市場にとって非合理な「価格の歪み」を見つけて、それを利益に結びつけていく行為です。必要なのは、人間を合理的なものと捉えることではなく、非合理な要素を内包するものと捉えることではないかと思います。


 今回は「合理的経済人」という視点から、株式投資で利益を上げる秘訣についてお届けしました。ではまた!

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