こんばんは、ヤギ仙人です🐐。最近は日本でも8か月連続でインフレが続いているそうです。そういえば、インフレって株価にどういう影響があるんだっけ? そう思ったアナタのために、今回は「インフレと株価の関係」について説明します。
インフレの直接的な影響
結論から言うと、インフレ局面では中期的にも長期的にも株価は上昇しやすくなります。その仕組みを確認しましょう。
このロジックは比較的簡単です。インフレとは、継続的にモノやサービスの価格が上がることですから、企業は自社の製品価格を値上げしやすくなります。製品価格が上がれば売上・利益は向上し、企業価値が上がることで株価は上昇しやすくなります。
長期的にもインフレは株価の上昇要因になります。「株式のリターンは長期間ではインフレ率と同じペースで上昇することが、過去のデータで示されている」と言うのは「株式投資 第6版 長期投資で成功するための完全ガイド」の著者のジェレミー・シーゲル教授です。

彼は1801年から2021年までの長期に渡り米国の金融資産の動きを研究することで、インフレが株価の上昇要因として働くことを解き明かしました。その論拠は、株式とは企業の持つ土地や建物という実物資産の塊であり、その上に企業の生み出す付加価値が加わっているので 優れたインフレヘッジの効果がある、というものです。
直接的影響としては、インフレは中期的にも長期的にも株価の上昇要因となります。
インフレの間接的な影響
ところが、そうは簡単に行かないのが金融の世界。短期的には過度なインフレは株価の下落要因になります。

中央銀行はインフレが加速すると、金融引き締め(金利を上げて、市場に出回るお金の量を減らすこと)に走ります。以前にも説明しましたが、金利の上昇は株価にとってはマイナス要因です。この場合は、インフレの間接的な影響によって株価は下落することになります。
逆にデフレが加速した場合には、中央銀行は金融緩和(金利を下げて、市場に出回るお金の量を増やすこと)を行います。過去にアベノミクスの一環として、2013年4月から日銀が通称「異次元の金融緩和」を行ったのは、長年続いたデフレと低成長から脱却することが目的でした。これにより、低迷していた日本の株価は見事に上昇軌道に乗りました。
インフレと株価の関係は、このようなインフレがもたらす間接的な影響も考慮しなければならないのです。
資産運用のもう1つのメリット
インフレと株価の関係を考える時に、忘れてはならない根本的な視点があります。それは「資産運用はインフレ対策になる」ということです。
インフレとは、要するに「お金の価値が下がること」。現金や預金で持っていてもジリ貧になるということを意味します。

左は米国の消費者物価指数と通貨の供給量であるマネーサプライの関係を表すグラフです。お金の量が増えると物価が上がるのがよくわかりますね。米国では1970年代以降、マネーサプライの増加によりインフレが常態化しています。これは米国だけでなく世界的な傾向でもあるのです。
つまり、現金や預金をインフレに強い資産に振り分けることは「現代人の共通課題」なのです。では、インフレに強い資産とは何か? その代表は「不動産」「金」「株式」です。投資の話題で この3つが必ず取り上げられるのには、このような背景があります。資産運用には、資産を増やすことだけでなく、インフレから資産を守るという重要な目的があったのです。
今回は「インフレと株価の関係」を説明しました。資産運用の根本に関わるお話なので覚えておいて下さい。ではまた!
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