こんばんは、ヤギ仙人です🐐。「株式投資はゼロサムゲームだから」なんてよく言われますが、コレって本当なんでしょうか? 今回は株式投資がゼロサムゲームかどうかを検証しつつ、投資を行う上での重要な認識について説明します。
株式投資は「生き馬の目を抜く」世界?
株式投資の世界には独特のイメージがあって、「生き馬の目を抜く」とか「素人が手を出しちゃいけない」などとよく言われます。

1987年に公開されたアメリカの金融業界を描いた映画「ウォール街」でも、主人公の投資家ゴードン・ゲッコーを演じるマイケル・ダグラスの次のような台詞が印象的でした。
「言葉は悪いが、貪欲は善だ。
(Greed,for lack of a better word,is good.)」
そんな台詞を裏付けるかのように言われるのが、「株式投資はゼロサムゲーム」という言葉。つまり、あなたが得をしたのと同じ分 損をしている人がいる弱肉強食の世界だ、というのです。果たしてコレは本当なのでしょうか?
株式投資はゼロサムゲームか?
結論から言うと、中長期の株式投資はゼロサムゲームではありません。これを説明するには、ゼロサムゲームとは何かを説明しないといけませんね。ゼロサムゲームとは、ゲーム理論のゲームの分類のひとつで「プレーヤー全員の利益の総和がゼロになるゲームのこと」です。お仲間に「マイナスサムゲーム」と「プラスサムゲーム」がいます。
マイナスサムゲーム | ゼロサムゲーム | プラスサムゲーム | |
---|---|---|---|
定 義 | プレーヤー全員の利益の総和がマイナス | プレーヤー全員の利益の総和がゼロ | プレーヤー全員の利益の総和がプラス |
具体例 | ・宝くじ ・ギャンブル全般 | ・FX ・株式投資(短期) | ・株式投資(中長期) ・国際貿易 |
例えば、「宝くじ」はマイナスサムゲームの代表ですが、その理由は胴元の取り分が55%でプレーヤー(宝くじを買う人)には45%しか還元されないからです。それに対して、中長期の株式投資はプラスサムゲームなのでプレーヤー(市場の参加者)全員が得をすることが可能です。なぜなら、市場全体の価値が向上するからです。
裏を返せば、中長期の株式投資がプラスサムゲームになるためには、市場が属する国の経済がプラス成長していないといけないことになります。そして、表を見ればわかる通り、デイトレードなど短期の株式投資は価値の向上がないのでゼロサムゲームになります。株式投資の従来のイメージは、どうもそこに引っ張られているようです。
どれくらいのスパンで取り組むべきか?
では、中長期の株式投資とはどれくらいのスパンで考えればよいのでしょうか?

こちらは野村ホールディングス(株)が作成した1922年から100年間の世界の名目GDPと米国の株価指数・ダウ平均のグラフです。100年単位で見ると、確かに経済の成長と株価が連動していることがわかります。長期という場合には、最低でも100年単位で株価の動きを見るべきではないかと思います。

続いてこちらは、株式に投資した場合の「最高の結果」と「最低の結果」のばらつきを1950年から2020年で調べたグラフです。投資期間が15年を過ぎると、最低の結果でも投資のリターンがプラスに転じるのがわかると思います。つまり、株式投資は投資期間が長いほどマイナスのリスクが減少するのです。
従って、中期という場合にはひとまず15年というのがそれに当てはまるのではないかと思います。
投資というものは、短期間に儲けようとすればする程 手痛い損をするものです。それを避けるためには、中長期のイメージを早い段階で体に馴染ませ、短期の利益を狙いに行かないクセをつけることが肝要なのです。
今回は「株式投資はゼロサムゲームか?」について説明しました。ではまた!
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