こんばんは、ヤギ仙人です。現在調整中の米国株はトランプ米大統領の発言によって乱高下しています。気になるのは米国株の調整が現在どの段階にあるのか、ということ。そこで今回は「米国株の調整はいま何合目か?」ということで、今後の展望について検討してみたいと思います。
米国株の下落はどの程度だったのか?
米国株が大幅に下落したのは先週の4月4日(金)でした。
<日経新聞> NYダウ急落、2231ドル安 関税応酬で史上3番目下げ幅(4月5日)
トランプ政権の関税政策に中国が報復関税で対応したことで景気の悪化が懸念され、ダウ工業株平均は史上3番目の下げ幅となりました。一進一退の後、トランプ大統領が相互関税の上乗せ部分について90日間の一時停止を許可すると発表したことにより、米国の株価は大幅に反発しました。これをグラフに表すとこうなります。

株価の下落が始まったのを2月20日(木)として、4月8日(火)の直近の最安値までの下落幅をパーセンテージで表すと以下のようになります。
- ダウ平均 44,561.11 → 37,645.59 15.5%
- S&P500 6,134.50 → 4,982.77 18.8%
- NASDAQ 20,029.185 → 15,267.913 23.8%
このブログでは3月20日(木)に「調整期間は4カ月程度、下落幅は15%前後」と予想していました。下落幅で見れば予想を上回っており、正直予想が甘かったと反省しています。
現在調整は何合目まで来たのか?
とはいえ、株価に調整はつきものです。大事なのはこの状況を投資にどう活かすか、です。
今回の下落については、こちらの記事が比較的わかりやすく分析していました。

まず、投資家の株価の先行きに対する不安を表すVIX指数は45.31です。この指数が40を超えると「市場がパニックに陥っている」と判断されますので、投資家の市場に対する不安はかなり強い状態といえます。

次にPER(株価収益率)です。4月4日時点の予想PERは18.9倍。2020年以降の平均が約20.7倍ですので、株価はかなり割安な状態にまで下がったと見ることが出来ます。
<Bloomberg> トランプ大統領、利下げは「今が絶好のタイミング」-FRB議長に圧力
トランプ大統領は株価が大幅に下落した4月4日(金)、お得意のXに「パウエルFRB議長が金利を引き下げるには今が絶好のタイミングだ。議長はいつも『遅れて』いるが、今ならそのイメージを覆し、素早く行動できる」と投稿し、圧力をかけました。今回の関税政策ではさすがに経済への悪影響が大きかったと捉えていると感じられます。市場サイドは今回のトランプ大統領の投稿で、次のFOMCでの利下げをある程度織り込んだものと思われます。ただ、利下げに慎重なパウエル議長が要求通りに利下げに踏み切るか不透明な部分が残ります。
以上を総合すると、米国株の調整は現在8合目、5月6~7日のFOMC次第ではもう一段の下げもあり得るという状況ではないかと思います。
今回は「米国株の調整はいま何合目か?」について考えました。市場はしばらく不安定な状態が続くと予想されますので、トピックスがあれば取り上げたいと思います。ではまた!